ここ一週間ほど、Twitterの個人アカウントで、今年買った新譜レコードを順不同で紹介していました。今年最後の投稿は、それらのアナログ盤を含め、とても感銘を受けた2019年作をアルファベット順に紹介します(CDも含みます)。(カワズ)
Aldous Harding "Designer"
オルダス・ハーディングは何となく遠ざけていたのですが、本作を聴いたらすごく良くて愛聴しています。一つひとつの音が無駄なく配置されているのに程よくラフで堅苦しくない。アルバムタイトルも良いです。
♪The Barrel
Angelo De Augustine "Tomb"
今年の初めにずっと聴いていたアルバム。ジャケットやアルバムタイトルや曲名からも伺えるように、繊細な音の隙間からは、家族や親しい人への愛情が垣間見えます。ブログでも紹介しました。
♪Time
Bedouine "Bird Songs of a Killjoy"
LAを拠点とする女性SSWベドゥインの2ndアルバム。本人は「前作から大きく変えたつもりはない」と語っていますが、歌により温かみと親しみ易さを帯びたのは確かです。ブログでも紹介しました。
♪Sunshine Sometimes
Carlos Aguirre "La Musica del Agua"
セバスチアン・マッキのツアーメンバーとして11月に来日したカルロス・アギーレ。東京で観た彼のピアノソロコンサートは今年の個人的ベストライブでした。驚きの興奮、郷愁の念、心の安らぎ。演奏を聴いているうちに、自分の中にそうした色んな感情が自然と湧いて来て、自由に、そして純粋に音楽を楽しむことの大切さをあらためて思い直した気がしました。この作品とあのライブがあったから、今年も良い音楽ライフを送ることが出来たといえます。ブログでも紹介しました。
♪Juancito en la siesta
Devendra Banhart "MA"
昨年だとJerry Paper、今年だとデヴェンドラの本作やマック・デ・マルコの7インチ等、2019年は飽くなき細野魂をたくさん感じた一年でした(『Hochono House』やドキュメンタリー映画『No Smoking』もあったし)。中盤「Love Song」は繰り返し聴きたくなる名曲。
♪Love Song
Dolores Cobach "Plumaje"
ディスクユニオンのウェブサイトで、ジャケットがあまりにも印象的だったので惹きつけられ、チェックしてみたら凄く好みだったのですぐにCDを買いました。アルゼンチンの音楽家ですが、音楽的には70年代の女性アメリカンSSWたちを彷彿とさせるフォーキーな作品で、金延幸子が引き合いに出されているのも頷けます。国内盤のCDが1月に発売されるようですが、内容・ジャケットともに、ぜひアナログ盤で聴きたい一枚。
♪Nada Especial
Drugdealer "Raw Honey"
マイク・コリンズによるDrugdealerのセカンドアルバム。前作『The End of Comedy』に比べてアシッドサイケ感は薄まり、ソフトロックなテイストが増してすごく聴き易くなりました。「Lonely」はDJでも何度かかけた一曲。
♪Lonely
Duara "Flights of Imagination"
もう随分過去のことのような気がしていましたが、今年の春先に、ミュージックマガジン4月号の特集記事『東南アジアのインディ・ポップ最前線』でインドネシア・シーンの現在についての記事を書きました。数年前から日本でも徐々に東南アジアのインディーズが紹介されるようになっていましたが、SNSの定着とストリーミングサービスの発展によって、今年はそれが若い世代のリスナーにも随分浸透したのではないかと感じます。インドネシア産インディーズで今年個人的に最もハマったのはこのDuara(デュアラ)という男女デュオによるミニアルバム『Flights of Imagination』。おすすめです!ブログでも紹介しました。
♪Lily, Pt. 1 & 2
Durand Jones & The Indications "American Love Call"
今年の個人的ベスト10に入れたい一枚。Dead Oceansからリリースされた全曲最高のメロウ&スイートなソウル・ミュージックです。ブログでも紹介しました。
♪Don’t You Know
Ginger Root "Mahjong Room"
何度か人前でDJをする機会があってよくかけたのですが、中でも最も問合せが多かったアルバム。歌声も外見のキャラクターも良いし、楽曲センスも抜群です。ブログでも紹介しました。
♪Shmoopie
Jessica Pratt "Quiet Signs"
LAのSSWジェシカ・プラットの3rdアルバム。過去2作も良かったけど、今作の出来は格別です。エリックサティに影響を受けたような、奇妙で美しいオーラを纏う旋律に心を奪われました。ブログでも紹介しました。
♪This Time Around
Leonardo Marques "Early Bird"
ミナスのSSW/プロデューサー、レオナルド・マルケスの3rdアルバム。チックコリアぽくてA&Mなジャケットを見た時からレコードで欲しいと思っていたのでアナログ盤で買いました。近年のブラジルものでは一番好き。ミュージックマガジン5月号の特集『ブラジル音楽オールタイム・アルバム・ベスト100』の中で、個人的なベスト30に選出しました。
♪I've Been Waiting
Matt Maltese "Krystal"
きっかけはSpotifyのオススメ。以降何度も聴いていたら惚れ込んで買った一枚です。UKのベッドルーム系シンガー・ソングライターだそう。ドリーミーなサウンドとどこか懐かしいメロディラインが素晴らしいです。
♪Rom-Com Gone Wrong
Minuano "蝶になる夢を見た"
パーカッショ二スト尾方伯郎ソロユニット、Minuano(ミヌアノ)が9年ぶりに新作をリリース。前作までと同様に、Lampの榊原香保里がメインボーカルを務めています。前作は冬から春、今作は夏から秋。ミヌアノの作品は、季節の変わり目に聴くととても胸に染みます。ブログでも紹介しました。
♪流星綺譚
Moonchild "Little Ghost"
ムーンチャイルド2年振りの4thアルバム。前作に続きアナログは2枚組です。メロディやボーカルは変わらず良いけど、トラックの緻密さとバラエティ性は前作以上。時折顔を出すピアノやギターの生音が効いています。
♪The Other Side
Moons "Thinking Out Loud"
ブラジルのアンドレ・トラヴァッソスによるユニット、Moonsの2017年作『木と火の歌たち』は、シンガーソングライター特有の孤独感や内省感を携えたフォーキーなデビューアルバムでした(ブログでも紹介しました)。この2ndではさらにアンビエントな質感が増幅し、ドライで幻想的なサウンドが広がっています。アナログ盤がもうすぐ発売されるのでとても楽しみ。ちなみに、すでに3rdアルバムもリリースされています。プロデュース/ミックス/マスタリングは前作同様にレオナルド・マルケス。
♪Moons
Peter Cat Recording Co. "Bismillah"
ジャケットのインパクトだけでなく内容的にも今年の個人的No.1。デリーで活動するバンドの2ndアルバムです。ポップで緩いローファイサウンドに潜む洗練性に痺れました。インドのインディーズには今後も要注目。
♪Floated by
Rachael & Vilray "Rachael & Vilray"
2019年、この音楽に出会えて本当に良かった!としみじみ感じた一枚。ニューヨークのボーカル&ギターデュオによる、ヴィンテージサウンドに包まれた心温まるジャズ・ボーカル作品です。ジャケットも素敵。
♪Do Friends Fall In Love?