インドネシアの最近のインディーズのなかでもイチオシのデュオ、デュアラ(DUARA)。今年リリースされた彼らのミニアルバム『Flights of Imagination』がとても素晴らしいので紹介します。(カワズ)
ここ数年で、日本国内でも随分と浸透しているインドネシアのインディーズ・シーン。その中でも、今年個人的に最も感銘を受けたのは、本日紹介するDUARAのミニアルバム、『Flights of Imagination』です。
DUARAは男女の若手デュオで、結成してまだ日も浅く、作品もこの一枚しかリリースしていないようです。メンバー構成は、ギター担当の男性Robert Mulya Raharjaと、ボーカル担当の女性Renita Martadinataの2人。ちなみにRenitaは、マリク&ディ・エッセンシャルズ(Maliq & D’Essentials)などの著名なアーティストの作品でバックボーカルを務めていたというキャリアの持ち主です。
本作『Flights of Imagination』は2019年にリリースされた彼らのファースト・ミニ・アルバムで、5曲で構成されています。
冒頭の「Lily, Pt. 1 & 2」は、甘やかでジャジーなヴィンテージ・サウンドに入り混じるアンニュイなムードが素晴らしいナンバーです。2曲目の「And Time Froze」は、そのタイトルの通り、時計の針を止め、夢見心地な空想の世界に誘ってくれます。
3曲目の「Unfallen Love」はレゲエ調のリズムのクールな楽曲。どこかざらっとした質感が魅力的です。
4曲目の「Sarariman’s Dream」は、ゆったりしたエレガントなワルツから突如激情的な世界観へと展開し、また夢の中へと戻るドラマティックな一曲。
そして最後の2分足らずの「Lily, Pt. 3」で、彼らの短い空想飛行は幕を閉じます。
この国のインディーズは色々とチェックして来ましたが、DUARAは一言でいえば、ありそうで無かったタイプのインドネシア・インディー・アーティスト。シティー・ポップでもなければ、流行りのR&Bテイストのエレクトロ・ポップとも違う、最近の若手アーティストにはあまり比較対象が思い浮かばない、とてもユニークな存在だと感じました。現地ではCDがリリースされているようですが、日本では入手が難しい状況です。どうにかフィジカルで購入できないかと考えています。
DUARA "Flights of Imagination" (2019)
- Lily, Pt. 1 & 2
- And Time Froze
- Unfallen Love
- Sarariman's Dream
- Lily, Pt. 3