2021年8月29日日曜日

Sound of Afterglow vol.17 《Big Romantic Records》


熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の17回目が放送されました。今回は、アジアの良質なインディーミュージックを紹介するレーベル、Big Romantic Recordsの特集をしました。(カワズ)


コーナーの一曲目は、Big Romantic Recordsを代表するグループ、サンセット・ローラーコースターの最新アルバム『Soft Storm』収録曲。作品ごとに少しづつ音楽性に変化をつける彼らですが、今作では全体に漂うスロウでソフトサイケな色合いが素晴らしく、個人的にはこれまでで一番好きな一枚です。ネッド・ドヒニー作「Overlove」と悩みましたが、イントロから引き込まれたこちらを紹介しました。



台湾の人気ポップバンド、雀斑(Freckles)のメンバーである蘇偉安(スー・ウェイアン)のソロプロジェクトがエヴァーフォー。日本の渋谷系やシティポップに影響を受けているグループです。こちらはシティーポップにラヴァーズロックの要素を取り入れた素敵な曲で、7インチ盤アナログでシングルリリースされています。この他にも「Lovely」や「浪漫的中華街」など良曲多数。



Leo王(リオ・ワン)は、台湾グラミー賞を受賞したり、サンセット・ローラーコースターとコラボもある台湾の新世代ラッパー。1stアルバム『藝術家脾氣 / 吾輩は芸術家である』に収録されたタイトル曲を紹介しました。台湾で人気の女性アーティスト9m88がいい味を出しています。2018年のセカンドアルバム『無病呻吟有情抒情』ではレゲエやダブサウンドも取り入れ、さらにパワーアップしています。


タイ第二の都市チェンマイ出身の4人組インディーポップバンド。ボーカルのNoi Naaがソロ活動を始め、その後メンバーが加わりバンドとなったのだそうです。2019年11月にリリースされた本曲はYoutubeで200万回以上再生されています。この曲を含む10インチEP『Firlst Trip』は、Z世代のグループらしいフレッシュさと良く練られたバンドアレンジをひしひしと感じる完成度の高い一枚。どの曲も素晴らしいです。



シンガポールのSean Lam(ショーン・ラム)を中心としたグループがHanging Up the Moon。過去にフルアルバムを3枚リリースしていて、いずれもポストロック的内省感から滲み出る繊細さを感じずにいられない作品ですが、ポップなインディーロック路線になっています。どこか儚げな質感を帯びた切ないサマーソングです。バンドの音楽性がシフトチェンジしたというより、変化球的なナンバーだと思っています。



中国の音楽プロデューサー兼シンガー、李行亮(リー・ハンリャン)。リリースされたばあかりのフルアルバム『悠長假期(ロングバケーション)』に収録された一曲です。アルバムは、そのタイトルやジャケットからも明らかな通り、大瀧詠一をはじめとするジャパニーズ(シティ)ポップに影響を受けていて、都会的で洗練された世界観が展開されています。



コーナー最後はサンセット・ローラーコースターのメロウな曲で締めました。2011年の1stアルバム『Bossa Nova』に収録されている2分程度の短い曲ですが、彼らの楽曲の中では個人的に一番好きなナンバーです。


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Big Romantic Recordsからリリースされている音源で編んだSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲もセレクトしていますので、ご興味のある方はぜひ。