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1983年に製作されたピアニスト竹内晴美の『河童のあやまり証文』が、プロダクションデシネより再発されました。素晴らしい日本のジャズ。(カドピ)
静岡県浜松市を中心に活動した女性ピアニスト竹内 晴美が1983年に残した自主制作的な名作『河童のあやまり証文』。前半の地域の伝説に根ざした長編の大作《河童のあやまり証文》サイドと、後半の愛おしい我が子たちへ贈る《For Sons》サイドで構成されています。
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「河童のあやまり証文」は福井県美浜町佐田を流れる金瀬川周辺で伝わる伝説をテーマとした、創作舞踏のために書かれた曲。情感あふれる珠玉のスピリチュアルジャズです。《For Sons》サイドは「For Sons」「Mother's Dream」といったオリジナル曲や、「いつか王子様が」などのディズニーカヴァーで構成されていて、これがとてもふくよかで美しくて。5人の母だった彼女、ジャケットの河童ちゃんも彼女の息子さんなのだそうです。めちゃくちゃ可愛い。
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今回の再発はLPとCDがあるのですが、CDではさらにアルバム『Silky Voice Jazz Concert 』から、未収録曲の初音源化も含めたボーナストラック5曲が収録されています。ラストの「冬の終わりに」は、彼女が師事した菅野光亮がピアノで参加、竹内晴美自身はピアニカを演奏しています。
日本のジャズの"粋"が詰まった名盤、聴くことができて再発に感謝です。
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01. 河童のあやまり証文
02. For Sons [フォー・サンズ]
03. 星に願いを [When You Wish Upon A Star]
04. いつか王子様が [Someday My Prince Will Come]
05. Mother's Dream [マザーズ・ドリーム]
06. ラ・ラ・ルー [La-La-Lu]
[Bonus Songs ONLY for CD]
07. C Jam Blues
08. Nancy
09. Love Letters
10. For Sons
11. 冬に終わりに ft. 菅野光