熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の31回目が放送されました。今回はフィリピンの「マニラ・サウンド」をテーマに選曲しました。後にOPM(オリジナル・フィリピーノ・ミュージック)と呼称されるようになるフィリピン大衆音楽の出発点となった「マニラ・サウンド」。1970年代後半以降に登場した当時の新世代のアーティストの内、今年の2月に、ソロアーティストに絞って特集を組みました。今回はその特集第二弾として、グループ編をお届けしました。(カワズ)
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APO Hiking Society(アポ・ハイキング・ソサエティ)は1969年結成のグループ。当初は大人数だったようですが、レコードデビュー時はトリオ編成で活動をスタートしました。活動歴が長く、90年代までに15枚以上のアルバムをリリース。この曲は1978年のサードアルバム『Pagkatapos ng Palabas』に収録されています。フォーキーな曲調を得意としていた彼らですが、野暮ったさはなく、洗練されたメロディーセンスが際立っています。
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Hotdog(ホットドッグ)は、OPM(オリジナル・フィリピーノ・ミュージック)の前身であるマニラサウンドの代表的なグループの一つ。ボーカル兼ギタリストのレネ・ガルシアを中心にした6人組です。1976年の『Inspiration Everybody Needs One』に収録された2曲を紹介しました。このサードアルバムは、ソフトロックやブラック・コンテンポラリーのエッセンスが詰まっていて、どの曲も素晴らしいです。女性VoのElla del Rosario(エラ・デル・ロサリオ)は1977年までバンドに在籍し、そのあとにソロに転向し成功しました。
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Cinderella(シンデレラ)は、1970年代に結成された6人組。Hotdog、VST & Company、The Boyfriendsなどのバンドとともに、マニラサウンドの一翼を担った代表格です。1975年のファーストアルバム『Cinderella(シンデレラ)』収録曲を紹介しました。Taglish(タグリッシュ)という、タガログ語と英語がミックスされた歌詞が特徴で、サウンドだけでなくリリックにおいても、フィリピンのポピュラー音楽が西欧化していく過渡期だったことが伺えます。
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The Boyfriends(ボーイフレンズ)もマニラサウンドを代表するグループの一つ。清潔感のあるボーカルや都会的な雰囲気から、The Bee Gees(ビージーズ)を彷彿させるとの評価もあったようです。活動の全盛期は1970年代ですが、ラストアルバムとなった1981年のラストアルバム『Boyfriends Forever』に収録されているこの軽やかなディスコが彼らの真骨頂だと思います。
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VST & Company(VST&カンパニー)は、1970年代後半に活動をスタートした7人組のディスコグループ。1979年のセルフタイトルのファーストアルバムに収録された「Awitin Mo at Isasayaw Ko」で一躍有名になりました。この曲も同じアルバムに収録されています。「Awitin Mo at~」のヒットも手伝って彼らはフィリピンのディスコ文化を象徴する存在となり、国中に大勢の「VSTマニア」たちが生まれたのだそうです。
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Rainmakers(レインメーカーズ)は、マニラサウンドのグループの中でもおそらく最もマイナーなバンド。アルバム2枚とシングル3枚と、グループとしても短命に終わったようです。ビートルズ、ビーチボーイズ、サンドパイパーズなどに影響を受けていたらしいのですが、お届けした曲は高揚感溢れる素晴らしいナンバーで、フィリピン・フリーソウルと呼びたい一曲です。
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コーナーラストの曲は、いつも比較的静かな曲をお届けしています。今回のラストは、コーナーの冒頭にお届けしたAPO Hiking Society(アポ・ハイキング・ソサエティ)の曲で締めました。1980年の4枚目のアルバム『10 Years Together』に収録されているとてもメランコリックなナンバーです。