2022年10月24日月曜日

日々の余韻アーカイブス(その28)~ソフトロック vol.1~

今日の投稿は、2013~2014年に【日々の余韻】というタイトルでSNSに毎日アップしていた投稿のアーカイブ記事です。今回はソフトロックの名盤を6枚集めてみました。11/5(土)に開催する選曲イベント「So Much Music vol.8」のゲストDJ、バーバレラさんの得意ジャンルでもあります。(カワズ)

2013年5月24日【日々の余韻 Daily Afterglow 043】
Orange Colored Sky "Orange Colored Sky" (1968)
アメリカ西海岸のソフトロックグループ、オレンジ・カラード・スカイが1968年に発表した唯一のアルバム。跳ねたリズムにキャッチーなホーンアレンジ、パパパコーラス、そしてとびきりポップで高揚感のあるメロディラインなど、ソフトロックの醍醐味が全て詰まった一枚です。一曲目の「The Sun And I」などが有名ですが、同じくリードボーカリストのトニー・バリーが歌う「I'm Taking Her To Dinner」は、ジョン・レノンの影響を窺える(というかきっと相当意識している)ラフなボーカルで個人的には一番好きな曲です。


2013年7月17日【日々の余韻 Daily Afterglow 097】
Soft Soul Transition "SST" (1970)
大半を占めるオリジナル曲はどれもなかなかの出来ですが、冒頭のタイトルトラック「Soft Soul Transition」が白眉。ジャジー・ソウルなヴァースから、ソフトロックなパパパコーラスへとなだれ込み、またヴァースへと戻る渋い展開が最高です。ただ残念なのが、CDで聴くと音圧が低く、ファットなベースラインがかなりカットされている点。オリジナルLPは高額ですが、近年再発されていますので、アナログ派の人は是非ともそちらを。リンク先はアナログからの音源だと思います。


2013年8月27日【日々の余韻 Daily Afterglow 138】
Twinn Connexion "Twinn Connexion" (1968)
まるで、夏の間だけ地上に顔を出し短い生涯を終える蝉の鳴き声のように、60年代末の刹那、儚くも美しく鳴り響いたソフトロック。ザ・サークルの名曲「Turn Down Day」の作者、ジェリー・ケラーが手がけたツイン・コネクションも、そんなソフトロックグループのひとつです。アーティスト名とジャケからも明らかなように、双子の兄弟によるデュオ。冒頭の「Sixth Avenue Stroll」に代表されるキャッチーなメロディと躍動感が持ち味ですが、どこか翳りのある旋律のほうにより心を惹かれてしまいます。加えて、作品全体に漂う侘しい空気感。メンバーにアーティスト性が無く、戦略的に作られたグループという感じが否めないのも、その侘しさの所以なのかも知れません。


2013年10月23日【日々の余韻 Daily Afterglow 187】
Silverbird "Getting Together"  (1972)
ソフトロック愛好者のバイブル、<ソフトロックA to Z>の中で、名盤63選に選ばれていた一枚。ニュー・メキシコ出身のファミリーバンドによるローカル盤ですが、全体通してポップソングとしてのクオリティは非常に高く、ソングライティング、アレンジ、コーラスワークどれも高水準なアルバム。それでいて曲によっては程よいいなたさも感じる一枚です。


2013年11月11日【日々の余韻 Daily Afterglow 206】
The Coronados "Hey, Love!" (1969)
後にソフトロックなファミリーバンド、Silverbirdへと発展するボーカルグループ、Coronadosのアルバム。美しいコーラスが魅力のオリジナル「Hey Love」に始まり、いずみたく作「世界は二人のために」等のカバーを含む、バラエティに富んだ一枚です。二曲目の「Melancoly Baby」はその名の通り、どこか物憂げな旋律が心に残る素晴らしい曲。ハーパース・ビザールもカバーしたナンバーです。


2013年12月5日【日々の余韻 Daily Afterglow 230】
The Golden Gate "Year One" (1969)
買った当時はいまいちピンと来なかったのですが、聴き返してみるとどの曲もなかなか良くて驚いた一枚。特に個人的なお気に入りは、ちょっぴりセンチメンタルで胸キュンな「High On A Melody」や「Lucky」。Vandaの解説でも触れられていますが、Kiethあたりを彷彿させるスウィートなメロディラインが魅力的です。