熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の24回目が放送されました。今回はシンガポールを拠点に活動するアーティストの特集をしました。（カワズ）
Aspidistrafly（アスピディストラフライ）はヴォーカリストApril
LeeとプロデューサーRicks
Angの男女2人によるプロジェクト。2011年のセカンドアルバム『A Little Fable』収録曲から紹介しました。個人的にも、アルバム『A Little
Fable』は数あるクワイエットな作品の中でもベスト10に挙げたい一枚です。アンビエントな音像と、時折聴こえてくる様々な生活音。日常と非日常が入り混じるサウンドスケープがとても刺激的な作品です。
Hanging up the Moon（ハンギング・アップ・ザ・ムーン）は、Sean
Lam（ショーン・ラム）の個人プロジェクトとしてスタートしたグループ。Aspidistraflyが主宰する《Kitchen. Label》からリリースされた2ndアルバム『The Biggest Lie in the World』からの代表曲を紹介しました。丁寧に紡がれるギターのアルペジオがやがて臨場感溢れるバンドアンサンブルへと昇華していく大好きなナンバーです。
Amanda Ong（アマンダ・オン）は2018年頃から活動している若手女性シンガー。この曲は、2021年に配信リリースされているシングルで、春の到来が似合うしなやかなフリーソウル。配信サービスでは、この曲と全く同じアレンジで英語詞バージョンも聴くことができるのですが、現地語（マレー語）で歌うこちらのバージョンのほうが個人的にはしっくりくると感じました。活動歴が浅いのであまり詳しくは紹介できませんが、彼女のロングインタビューによると、今後はジャズファンクにも挑戦したいとのこと。
シンガー・ソングライターでプロデューサーのCharlie Lim（チャーリー・リム）は、幼少期からピアノを習得し、14歳の時にオーストラリアに渡りました。メルボルンの大学でジャズ・パフォーマンスを専攻し、現在はシンガポールに戻って活動しています。2015年のアルバム『TIME/SPACE』はシンガポール国内メディアでその年の“ベスト・ポップ・アルバム”と称されました。近年では日本のアーティストともコラボレーションするなど、さらに充実した活動を続けています。この曲は、彼の1stEPの1曲目に収められています。
LinYing（リン・イェン）は2016年にデビューした女性シンガーソングライター。昨年リリースされたネオ・R&Bテイストのシングル曲を紹介しました。今年に入って、この曲を含むファーストフルアルバム『There Could Be Wreckage Here』をリリースしているのですが、アルバム全体もとても素晴らしく、最近よく聴いています。彼女の人気はすでにシンガポール国内に留まらず、Spotifyでは、米国および英国のViral
50チャートに入ったり、シンガポール出身のアーティストとしては初めて、Spotify
Asiaの《25歳以下の最も影響力のあるアーティストリスト》に名を連ねたりしています。また、カナダ最大の老舗レーベル、Netwerk Records（ネットワーク・レコード）とも契約していたりと、今後も要注目のひとりです。
The Steve McQueens（ザ・スティーヴ・マックイーンズ）は刺激的なクロスオーヴァ―～ソウル・ジャズを展開する実力派バンド。2013年に結成され、インコグニートのメンバー主宰のレーベル〈スプラッシュ・ブルー〉からアルバム・デビューしました。複数のアルバムをすでにリリースしていますが、今回は、2021年の最新アルバム『The Observer』からの楽曲を紹介しました。《シンガポールのMoonchild》と呼びたくなるような、ネオソウル／ビンテージ・ソウルの質感がとても気持ち良いです。
コーナーの最後はいつも静かめの曲を紹介しています。冒頭に紹介したAspidistrafly（アスピディストラフライ）の11年振りの新アルバム『Alter of Dreams』から、リードシングルとして発表されたナンバーで締め括りました。『Alter
of Dreams』はすでにCDや配信でリリースされています。前作『A Little Fable』に劣らない素晴らしい作品に仕上がっていると思います。アナログ盤でもリリースされるのでとても楽しみです。
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シンガポールを拠点に活動するアーティストを紹介した今回のSound of
Afterglow。オンエアした曲を集めてSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲もセレクトしていますので、ご興味のある方はぜひ。
