2022年1月1日土曜日

2021年によく聴いた新譜レコード


あけましておめでとうございます。年末にTwitterの個人アカウントで、今年買ってよく聴いた新譜レコードをアルファベット順で紹介していました。全30枚、良かったらチェックしてみてください。今年もどうぞよろしくお願いします!(カワズ)

Aaron Frazer “Introducing”
ドラン・ジョーンズ&ザ・インディケーションズの「Crusin’ to the Park」を聴いてそのスウィート路線で一枚作って欲しいと願っただけに、メンバーである彼のこのソロ作が出た時はとても嬉しかったです。ジャケのヴィジュアルも最高。


Amigo Universo “Virtual Nostalgia”
高知在住の音楽家によるソロプロジェクト。多彩なリズムアプローチやメロウなベースライン、そしてオーガニックな質感のサウンドが素敵です。10インチというサイズ感も程よい。こちらでも紹介しました。


Arlo Parks “Collapsed in Sunbeams”
「サウス・ロンドン」と一括りにしてはいけないと思いつつも、昨今のこのエリアから登場する音楽の熱さは実に目を見張るものがあるように感じます。中でも決定盤の一つと感じるのは、今年だとやっぱりこのアルバム。


Benny Sings “Music”
ここ数作は正直あまりピンと来なかったのですが、一曲目「Nobody’s Fault」から風通しの良い軽快なベニー・シングスワールドが味わえる充実作。客演も豪華。こちらでも紹介しました。


Bruno Pernadas “Private Reasons”
フィジカルリリースが延び延びになりましたが、ようやく手に取ることができました。国境を横断しながら、曲ごとに繰り広げるカラフルかつジャンルレスな音楽性はまさに唯一無二。個人的には今年のベストアルバムの一つです。


Cande y Paulo “Cande y Paulo”
アルゼンチンのデュオによるロックやポップス中心のジャズカバー集。アルバム全体に通底するドライでザラっとした質感に痺れました。「Deja Atlas(Walk on By)」をはじめ選曲のセンスも好き。


Clairo “Sling”
心の揺らぎを投影したような思い切った定位のミックスと余白を生かしたアレンジ。その生々しく冒険的なサウンドデザインや彼女の内省的なトーンのボーカルがとてもカッコ良くてとてもリアル。タイムレスなインディーフォークの傑作だと思います。


Cleo Sol “Mother”
手元に届いて間もないのでフィジカルではあまり聴けてないですが、間違いなく今年最も繰り返し聴いたアルバムです。中でも4曲目の「Build Me Up」が個人的ベストソング。荘厳かつドラマティックな展開の虜になりました。


Durand Jones & the Indications “Private Space”
アーロン・フレイザーのソロアルバムとの差別化を図ったように、こちらはディスコビートを取り入れた作風に。前作に比べて最初は少し馴染むのに時間がかかったけど、色気のあるグルーヴが増したのを実感しています。


Eloise “Somewhere In-Between”
ロンドンのエロイーズによる2nd。プロデュースは書籍『クワイエット・コーナー2』でも大きく紹介されているBruno Major です。特徴のあるドリーミーなヴィンテージギターをはじめ、彼のオリジナルな感性が随所に感じられます。


Enji “Ursgal”
モンゴル出身でドイツを拠点に活動しているEnjiのセカンド。ジャズの要素を取り入れた神秘的なフォークロアが紡ぐ幽玄美に魅了されました。楽器一つひとつの音に無駄がなく、繊細さとダイナミックさを兼ね備えた彼女のボーカルを際立たせています。


Faye Webster “I Know I’m Funny haha”
前作と同様、丁寧に紡ぐようなボーカルとトロピカルなフィーリングのバンド演奏から溶け出すような歌のうねりに心を奪われました。「Overslept」ではmei eharaが参加。艶のある彼女の歌声が微睡みの曲調にぴったりです。


Garçon de Plage “Amour Aveugle”
パリを拠点に活動しているGreg Betteによるソロプロジェクト。ハイラマズあたりを彷彿させ、古いサントラやソフトロックが好きな方には特にお勧めできるポップなアルバムです。こちらでも紹介しました。


Ginger Root “Rikki”
日本愛が溢れたMV「Loretta」で幅広いインディーリスナーの心を掴んだジンジャー・ルートの2nd。アナログな質感のソフトなタイプの楽曲が並び、アルバムとしての統一感は前作以上。彼の魅力的な歌声が乗るとどんな曲にもマジックが生まれる。


Gretchen Parlato “Flor”
個人的ハイライトは、別ユニットTilleryのバージョンをさらにしなやかにした「Magnus」や、ささやかな幸せに満ち溢れた「Wonderful」。まさか彼女の歌声を日本のTVドラマで聴けるとは。こちらでも紹介しました。


池間由布子 “My Landscapes”
日常の何気ない出来事にも、揺らぐ声で彼女が歌うと特別な空気が漂う。あなたの風景になりたい、と紡ぐその歌の中にはスリルが潜んでいて、それは怖さでもあるけど、同時に美しさでもあって、だからつい聴いてしまうのです。


Jeb Loy Nichols “Jeb Loy”
ジェブ・ロイ・ニコルズの曲には、孤独な心を助ける不思議な魅力があるように思います。彼の優しい歌声は、気持ちよく晴れ渡った休日の夕暮れ時、不意に訪れるちょっと寂しい気分に寄り添ってくれます。


Joy Crookes “Skin”
サウスロンドン出身、UKフィメールソウルの新星ジョイ・クルックスのデビュー作。灼熱のブラスサウンドが印象的な「When You Were Mine」を筆頭に、彼女の剥き出しの愛情をひしひしと感じます。音楽性と共鳴するタイトルやジャケットも良い。


Kings of Convenience “Peace or Love”
久しぶりのリリースの報せに驚き、高まる期待の中で届いたこの素晴らしいクオリティーにさらに驚きました。研ぎ澄まされた旋律に折り重なる一級品のアコースティックサウンド。胸がいっぱいになりました。


Mocky “Overtones for the Omniverse”
モッキーと親交の深い面々がLAに集結し、2日間で録音されたというライブドキュメント的な一枚。時期がロックダウン直前だったそうですが、それが逆にこの作品に渾然一体としたスピリチュアルな繋がりを生み出しています。


Pearl Charles “Magic Mirror”
ABBA直系の冒頭のディスコ「Only for Tonight」をはじめ、レトロな風合いのヴィンテージポップが目白押しのパール・チャールズの2作目。艶のある歌声はカレン・カーペンターが引き合いに出されたりも。レコードが似合う音です。


Rory More “Through the Dappled Dell”
Les HommesやRumerとのユニットStereo Venus等でも活動するイギリスの鍵盤奏者。ソロ名義は久々ですが、今作もやはり極上のラウンジミュージックを届けてくれました。こちらでも紹介しました。


Sachal Vasandani & Roman Collin “Midnight Shelter”
安息の場である自宅が避難所にもなった昨今。ダークでロマンティックな歌とピアノが不安な心を鎮めてくれます。トーマス・バートレットのソロピアノ作『シェルター』同様、時勢を反映したタイトルが印象的。


澁谷浩次 “Lots of Birds”
仙台のバンドyumboを率いる澁谷浩次のファーストソロ作。表題曲をはじめ、感傷的でメロウな旋律と歌声、そして深みあるエレピの音色がとても沁みます。発売は確か夏場だったけど、寒くなった今の季節がぴったりのアルバムだと思います。


Silva “Cinco”
暖かな風を感じる前半のスカ〜ロックステディから後半のまろやかで心地良いボサノヴァまで名曲揃いのアルバム。CD版ラストの感動的な「Má Situação」が収録されていないのが残念ですが、それでもSilvaのキャリア最高の一枚と言っていいと思います。


Sunset Rollercoaster “Soft Storm”
アルバムごとに前作との違いを明確に感じさせる台湾インディーズの雄。今作も、盛り上がるアジアン・シティーポップの枠に収まらない先駆的な内容に。ソフトでチルでメディテイティヴな仕上がりで、個人的に大満足です。


Thomas Bartlett “Shelter”
彼がプロデュースする楽曲はどれも素晴らしいですが、本人名義作はまた違った趣があります。これはロックダウン期間中に制作された、静謐で美しいソロピアノ集。今年は静かなピアノ作品を沢山聴きました。ジャケに写る老人は彼の父親。


V.A. “Leonardo Marques Presents Ilha Do Corvo Sounds vol.1”
ブラジルの才人レオナルド・マルケスが手掛けた楽曲で構成されたコンピ。どの曲にも彼特有の内省感が滲み出ています。近年のミナスシーンの色んな音源がアナログ盤で聴けて嬉しい一枚です。


William Fitzsimmons “Ready the Astronaut”
セラピストの職歴を持つフィッツシモンズ。今作も、自らのほろ苦い人生経験を音楽へと昇華し続けてきた彼らしい、内省的な、でも前向きな作品です。彼は子供の頃、辛い現実から逃れたくて宇宙に憧れていたのだそう。


Yo La Tengo “Sleepless Night”
リリースは昨年後半でしたが、今年初めに買ったカバー中心のアルバム。中でも実にヨ・ラ・テンゴらしい解釈の「Smile a Little Smile for Me」が物憂げでドリーミーで好きです。こちらでも紹介しました。