2022年1月30日日曜日

Sound of Afterglow vol.22 《With the Old Japanese Mood》


熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の22回目が放送されました。今回の選曲テーマは「和」。民謡や小唄など、伝統音楽のエッセンスを盛り込んだ日本のポップミュージックを特集しました。(カワズ)

1曲目は、広島出身の電子音楽家・冥丁の2020年作『古風』に収録されているナンバー。「失われた日本」をテーマにしたアルバムの中でもとりわけ中毒性を感じる曲です。古い日本映画や記録映像からの音源をサンプリングしているそうで、はじめて聴いたときは、この古くて新しい世界観にとても驚きました。アルバム『古風』は2020年の個人的ベスト盤のひとつ。


♪冥丁 / 八百八町
2曲目も電子音楽家・冥丁の曲を紹介しました。2月にフィジカルリリースされるニューアルバム『古風Ⅱ』からの先行シングル。アンビエント~実験音楽にカテゴライズされながらも、ビートのアプローチはどこかヒップホップ的。そこにグルーヴや肉体性が宿っているところが、彼のユニークさの一つだと思います。
佐賀県嬉野市の老舗「旅館大村屋」と、コーヒースタンド&ギャラリー「おひるね諸島」の共同プロジェクトで誕生した7インチシングル。VIDEOTAPEMUSICが佐賀県嬉野市に昨年4月に滞在し、嬉野の歴史・特色・背景を調べて制作したご当地ソングです。フィーチャリングでボーカルを務めたmei eharaの艶のある歌声が、温泉街である嬉野のイメージにぴったり。
アラゲホンジは秋田県湯沢市出身のソングライター齋藤真文を中心に結成されたグループ。この歌は、サードアルバム『はなつおと』に収録されているタイトルナンバー。合いの手や囃子などの伝統的なリズムをうまく西欧のソウルミュージックとミックスしています。で、アルバムの中では比較的ポップに仕上がっている曲です。
奄美大島出身の元ちとせと、2009年デビューのシンガー・ソングライターさかいゆうによるコラボナンバー。二人が所属するオフィスオーガスタの所属アーティストによるコンピアルバム『Augusta HAND × HAND』に収録されている一曲です。さかいゆうの都会的でジャジーなセンスに、元ちとせの唯一無二の土着的なボーカルが新鮮なポップスです。
奄美出身の島唄歌手で三線奏者である里アンナと、レアグルーヴバンドNautilus(ノーチラス)のリーダーとして活躍しているドラマー佐々木俊之とのコラボ曲。二人がプレイする三線とドラムが、プリミティヴで切れの良いグルーヴ感を生み出しています。「稲すり」は脱穀のことで、奄美に伝わる民謡です。
Sound of Afterglowのラストはいつも静かめで心が落ちつくような曲を紹介しています。Lampの2008年リリースの4thアルバム『ランプ幻想』収録の一曲。配信サービスの浸透もあってLampは日本以外でも知名度がありますが、中でも『ランプ幻想』は、繊細でフォーキーなテイストとエキゾチックな質感が好評で、彼らの作品の中でも海外人気が最も高いアルバムのようです。

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オンエアした楽曲でSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲もセレクトしていますので、ご興味のある方はぜひ。