2021年2月28日日曜日

Sound of Afterglow vol.11 《Quiet Corner - Library of No Wave Music》


熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の11回目が放送されました。今回は、僕もレビュー執筆者として参加させて頂いたディスクガイド、韓国版クワイエット・コーナー(Quiet Corner - Library of No Wave Music)を特集しました。(カワズ)




インドネシアのシンガー・ソングライター&プロデューサー、モンド・ガスカロ。2017年のデビュー作『Rajakelana(旅する風)』の冒頭に収められたこの曲は、コンガの調べと穏やかな波の音が印象的なソフト・ボサノヴァ。Quiet Cornerでは、《For Travelers》というセクションで、そのテーマを象徴するアーティストとして大きめに紹介しています。日本盤アルバム付属のライナーノーツも担当させて頂きました。




Lampのトレードマークの一つといえるブラジル音楽の要素を封印し、80s~アーリー90sの質感を打ち出した8thアルバム『彼女の時計』に収録されている一曲です。《With Nostalgia》のセクションで紹介しています。リーダー染谷さんは、各テーマの合間に掲載されたコラムページにもテキストを寄稿しています。Lampは韓国での人気が高く、染谷さんは古くから監修の山本さんと親交があったりもして、本書に不可欠な存在といえます。



《With Nostalgia》セクションに掲載の最新作『Nowana』に収録されているナンバー。この曲は女性ボーカルCHAIをフィーチャーした都会的なR&B~ネオソウルですが、アルバム全体としては彼の作品中で最もクワイエットな一枚です。Lucid Fallはbar buenos airesの愛聴者で、自身のライブ開演前・終演後は、コンピCDをBGMで流していたそうです。Lamp同様、彼もコラムページに文章を寄せています。



《Stardasut & Snow》セクション掲載盤『11のとても悲しい歌』(2011)に収録された、ジョン・レノン「Imagine」のカバー。往年の名ボーカリスト、マリーナ・ショウがフィーチャリングされています。Quiet Corner執筆中は小西さんのコラム集『わたくしのビートルズ』を読んでいたのですが、短編映画を見ているようなエピソードや語り口で、自分のレビューの文体も影響を受けたような気がします。



韓国のシンガー・ソングライター、ドリンジ・オウの最新作『Black Hyll Side』収録曲。彼の来日公演を福岡と神戸で一回づつ見たことがあるのですが、その時の思い出をレビューに交えながら《Stardasut & Snow》セクションで紹介しました。大の鉄道マニアである彼は、来日時も鉄道旅行を楽しんでいるそうです。アルバムジャケットには、廃線間近の草臥れた駅舎が侘しくも美しく佇んでいます。



インドネシアのジャズ・ギタリストでプロデュースもこなすジェラルド・シタモラン。彼のソロ作『Solitude』は《Gentle Rain》というテーマで紹介しました。日本のラルク・アン・シエルの大ファンだったりして、ラウドなロックバンドでも活動するマルチな人物ですが、本作ではとても静謐なソロ・ギターを奏でています。2017年にリリースされた日本国内盤では、付属のライナーノーツを担当させて頂きました。