2013年4月12日から2014年2月13日までの1年弱の間、僕はTwitterやFacebook上で、【日々の余韻】というタイトルの投稿を毎日行っていました。
今日は、サニーデイ・サービスの「One Day」という曲について【日々の余韻】で書いた記事を再アップします。(カワズ)
2013年11月5日【日々の余韻 Daily Afterglow 200】
以前、サニーデイ・サービスの名曲「サマー・ソルジャー」について、“歌詞の最終フレーズが《それから先は...》で閉じる、その語り過ぎなさこそがサニーデイの魅力の一つだった”というようなことが書かれた文章を目にして、とても腑に落ちた記憶があります。その語らない美学、延いては聴き手の想像力に委ねる文学性のようなものは、誤解を恐れずに言えば、彼らのみならず90年代の日本の音楽シーン全体を覆っていた空気だったような気がしています。
2012年秋にリリースされたシングル「One Day」は、「サマー・ソルジャー」に対する彼ら自身のアンサーソングではないかと、個人的には感じています。
ギラギラと眩しかったあの太陽は今では《誰もいない、何も見えない》ところに顔を出し、グラリと波打つのはビルの群れではなく、心の内側の《この気持ち》へと変化。そして、このPVで彼らが向かったのは、「サマー・ソルジャー」が描いた世界観とは正反対の、穏やかで静かな海。あの時、時代に委ねた《それから先》の景色がここで描かれているように思えて、この過去とも未来とも受け取れる「One Day」というタイトルがやけにしっくりきたのです。
何処へ向かうかわからない危うさが見え隠れする、とてもサニーデイらしいナンバーで、そして純粋にいい曲です。
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というわけで、【日々の余韻】は200日目を迎えることができました。《それから先》のことなどちっとも分かりませんが、もう少し続けようかと思います。