熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の41回目が放送されました。今回は、インドネシアの近年の音楽シーンの中からヴィンテージ感のあるスウィートソウルやネオソウルを特集しました。(カワズ)
Rafi Sudirman(ラフィ・スディルマン)はインドネシア・ジャカルタ生まれ、若干19歳のシンガーソングライター。12歳からサックスを習い始め、ブルーノ・マーズに憧れてギターとピアノを習得したのだそうです。この曲は、2019年のデビューミニアルバム『Bedroom
Mix, Vol.
1』収録のメロウなソウルナンバー。2020年には、CHASEIRO(チャセイロ)の創始者、チャンドラ・ダルスマンが結成した企画グループ《CHASEIRO ALL STARS》のメンバーに抜擢されていて、得意のサックスも披露しています。
学生時代はドラマーだったものの、ある日バンドのボーカルが病欠となったために代理で歌ったことでボーカルキャリアがスタートしたというTeddy Adhitya(テディ・アディシャ)。2013年にポップボーカルグループBoyz II Boysでデビューし、2015年にはファンクバンドBlotymamaの一員として活動した経歴があります。今回は、複数の音楽賞にノミネートされた彼の1stソロアルバム『Nothing Is Real』(2017)に収録されている2曲を紹介しました。
2005年頃から音楽活動を開始したJamie Graham(ジェイミー・グラハム)は、元々1990年代にMTV AsiaとMTV
IndonesiaのVJやテレビの司会者、俳優などの経歴を持った人物。2007年には新人発掘番組《Indonesian
Idol》第4シーズンの審査員も務めたマルチタレントです。紹介したのは、2012年の1stアルバム『LMNOP』に収録されたニューソウル。どこかプリンスを彷彿させる色気のあるボーカルスタイルが特徴的です。
Thee Marloes(ジ・マーローズ)はジャカルタに次ぐ第2の都市、スラバヤ出身のトリオバンド。グループ名がTheではなくTheeなのは、LA出身のソウル・バンドThee Midniters(ジー・ミッドナイターズ)を真似たのだそうです。特筆すべきは、LAのソウル系インディーレーベルBig Crown Recordsからフィジカルリリースされたこと。このレーベルがアジアのバンドの作品をリリースするのはとても稀だと思います。Big
Crown Recordsの特徴といえば、甘美な旋律やハーモニーが特徴的なスウィート~チカーノソウル。近年のヴィンテージソウルのリヴァイバルもあり、欧米シーンではこの手のサウンドは珍しくありませんが、アジア地域に限定するとさほど多くないように感じます。ようやくアジアにもその波が到来したということなのかも知れません。
------------------------------
今回オンエアした楽曲を中心に構成したSpotifyのプレイリストを作成しました。他のアジアの国々の含め、オンエア以外の曲も含めてセレクトしていますので、ご興味のある方はこちらもぜひ。