熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の34回目が放送されました。今回は、昨年末に放送した2022年総括回の続きとして、お時間の関係で紹介できなかった楽曲をお届けしました。全曲インドネシアです。(カワズ)
Chika Olivia(チカ・オリヴィア)は、ボストンの名門バークレー音楽大学で音楽を学んだ人物。近年のインドネシア勢で個人的には最も注目しているアーティストのひとりです。Littlefingers(リトル・フィンガーズ)というジャズトリオでも活動しています。「Some Other Time」や「A Child」といった過去作は、どれも極めて内省的でとても音数の少ない、繊細な質感の楽曲でしたが、こちらの曲はLittlefingersのサウンドに近く、よりスケール感を感じます。
Dhira Bongs(ディラ・ボン)は バンドン出身の女性アーティスト。来日公演も経験があり、日本の著名な音楽家とも交流があるなど、日本国内でも徐々に知られる存在になっています。2016年の2ndアルバム『Head Over Heels』は個人的にも長年のお気に入り。こちらの曲は、ヴィヴィッドな色彩のジャケットも印象的なアルバム『A Tiny Bit of Gold In The Dark Ocean』に収録されたナンバーです。
スカストラ(Skastra)は、女性ヴォーカル(アルドゥリ)と、男性6人編成のグループ。その名の通りスカやロックステディを得意とするバンドですが、この曲は珍しく、ジャマイカのリズムをあまり前面に出さず、スロー~ミドルテンポのメロウなポップスに仕上げています。2017年に1st『Minor 7(マイナー7)』、2019年に『Persona(ペルソナ)』をリリースしています(どちらも素敵なアルバムです)。
近年のインドネシア・インディーズの愛好家にはお馴染みとなりつつある、女性シンガー・ソングライターVira Talisa(ヴィラ・タリサ)。2019年に1stフルアルバム『Primavera(プリマヴェーラ)』を発表しましたが、その後もコンスタントにシングルをリリースしています。こちらは、2022年リリースされた3作のうちの1曲。ポップなブラジリアンサウンドで個人的には一番好きです。
Mondo Gascaro(モンド・ガスカロ)が女性シンガーAgatha Pricilla(アガサ・プリシラ)とコラボしたシングルを2曲紹介しました。両曲ともにテーマは《希望》。「Cipta di Batas Rasa」は、コロナパンデミック下で直面した様々な制限をどうにか受け入れ、何とか光を見出したというのがテーマの曲。続く「Lepas Berdansa」では、パンデミックで変わってしまった世の中を、今は受け入れることができるようになったことをさらにポジティブに描いた曲です。
Meda Kawu(メダ・カウ)は、ジャカルタで活動している女性シンガーソングライター。冒頭に紹介したチカ・オリヴィア同様に、繊細な音楽センスや透き通るような歌声に定評があり、前述のヴィラ・タリサと2021年に「Sweet Dream, Sweet Little Thing」という曲でコラボしたり、MarcoMarche(マルコ・マルシェ)のDuta Pamungkasと共作で「Silent Saturday」という曲をリリースしたりしています。
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今回オンエアした楽曲を中心に構成したSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲も含めて、全曲インドネシアでセレクトしていますので、ご興味のある方はこちらもぜひ。