熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の19回目が放送されました。今回は、日本でも人気のイ・ランやキム・サウォルなど、韓国の近年のインディー・フォークを特集しました。(カワズ)
2016年から活動しているシンガー・ソングライターの2020年作『My
Home』収録曲。ギター、バイオリン、コントラバスといった楽器を用いたミニマルな編成で、室内楽的かつ洗練された雰囲気のフォークミュージックを奏でています。彼はキリスト教の伝道師(布教師)としての肩書も持つ敬虔なクリスチャンで、とあるインタビューでは「神学に身を置く中で抱いた愛や苦悩が歌に込められている」と語っていたのが印象的でした。
韓国のオルタナティブフォークの代表的存在といえばこの人。音楽家のみならず、文筆家としても優れた才能を発揮している人物です。自分も、この曲が収められた彼女のセカンドアルバム『神様ごっこ』(2016)を聴いて、近年の韓国フォークを掘り下げるきっかけになりました。2017年の韓国大衆音楽賞(コリアン・ミュージック・アワード)で最優秀フォークソングを受賞しました。今年リリースされたニューアルバム『オオカミが現れた』も素晴らしいです。
以前はムキムキマンマンスというグループで活動していた女性イ・ミンフィのソロアルバム『Borrowed
Tongue』より、タイトル曲。どこかブルージーなムードに包まれたアルバムで、インディーフォークのフォーマットですが実験性も感じる濃密な作品です。とりわけこの曲は、仄暗くメランコリックなテイストで心を掴まれました。2017年の韓国大衆音楽賞(コリアン・ミュージック・アワード)で最優秀フォーク音楽アルバム受賞。
彼女も韓国大衆音楽賞(コリアン・ミュージック・アワード)のノミネート常連で、この曲が収められたアルバム『Romance』は2019年の最優秀フォーク音楽アルバム受賞しました。2020年に来日公演が予定されていましたが、コロナの影響で直前にキャンセルとなりました。1曲目に紹介したホワン・プハのミニアルバム『My
Home』でも一曲共演しています。
詳細は不明ですが、2018年頃から活動している(おそらく)男性デュオによる2020年作。穏やかでタイトル通りのセンチメンタルな空気感が漂う曲です。まだこの曲+2曲しかリリースされていませんが、「風邪が治るまで」という全編日本語詞の曲もあったり、グループ名からも、日本と馴染の深いデュオだと推測しています。
同じく韓国大衆音楽賞(コリアン・ミュージック・アワード)で最優秀フォーク音楽アルバムを受賞した2019年作『Year
of Kim Il-sung's
Death』の収録曲。タイトルはなんだか不吉ですが、シンプルなボーカルと親しみやすいメロディと品の良いアレンジメントが素晴らしいです、金日成が亡くなった1994年のノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。同じアルバムに収録されている「Heavy Snow Watch」という曲は、韓国大衆音楽賞のベストフォークソングを受賞しました。
コーナー最後は92914という男性デュオの「オキナワ」という曲で締めました。彼らの曲は、自然の景色をモチーフにすることが多いのが特徴的で、プロフィールにも「自然の事物すべてに影響を受けている」と書かれています。旅先で訪れた沖縄の海の美しさに魅了されて作られたピースフルでリラックスできる楽曲です。
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近年の韓国インディーフォークの音源で編んだSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲もセレクトしていますので、ご興味のある方はぜひ。