熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の18回目が放送されました。今回は、インドネシアの音楽家モンド・ガスカロが手掛けた映画音楽を特集しました。(カワズ)

2018年に本国で公開された映画『Aruna & Lidahny』の主題歌としてリリースされたシングル曲。映画は《食》がテーマの作品で、Lidahnyとはインドネシア語で舌・味覚といった意味があります。曲のタイトル「Lebuh Rasa」もMore Tasteといったニュアンス。上品で繊細さがある、映画のテーマにもぴったりのとても味わい深いポップスです。

2曲目と3曲目は、2018年の映画『Memories of My Body』のサウンドトラックより。「Apatis」は、後にGiant Stepという著名なバンドを結成するBenny Soebardjaがオリジナルのカバー曲です。原曲が持つ少しイナタいロックテイストを残しつつ、ガスカロ流に洗練させています。この2曲は、プロダクションデシネより7インチシングル盤のA面とB面としてもリリースされています。

2011年の映画『Arisan 2』のサウンドトラック収録曲。クレジットは、Mondo GasacaroではなくRamondo Gascaroとなっています。当時はまだソロ転向前で、Soreというバンドに所属していたのですが、2013年前後にグループを脱退するまでは、バンドでもRamondoと名乗っていました。このサントラは他にもいくつか素敵な曲が収録されているのでまた別の機会に紹介出来たらと思います。

1950年代にヒットしたミュージカル『Tiga Dara(三人姉妹)』をリメイクした2016年の映画『Ini Kisah Tiga Dara』のサントラに収録された1曲。「Oh Jakarta」と同様、ヨーロッパの古い映画音楽の要素を取り入れた、とても優美で流麗な楽曲に仕上がっています。昨年韓国で出版された音楽ディスクガイド『Quiet Corner - Library of No Wave Music』でモンド・ガスカロを大きくフィーチャーした紹介文を書いたのですが、そのとき本人に、最も影響を受けた映画音楽家は誰か尋ねたところ、バーナード・ハーマンらと共にエンニオ・モリコーネの名前が挙がったのはとても納得しました。
コーナー最後は、ソロアルバム『旅する風』に収録されている曲。冒頭で紹介した「Lebuh Rasa」同様に、映画『Aruna & Lidahny』で使用されています。ホワイトシューズ&ザ・カップルズ・カンパニーのAprilia Apsariがボーカルでフィーチャリングされた穏やかなナンバーです。