2018年12月2日日曜日

オンダ・バガのカバーアルバムがとても良い

アルゼンチンの人気バンド、オンダ・バガ（Onda Vaga）。彼らが今年の夏に配信限定でリリースしたカバーアルバム『Nuestras Canciones』がとても良い感じです。（カワズ）

日本でも人気の高いアルゼンチンのグループ、オンダ・バガ（Onda Vaga）。7-8年ほど前にリリースされた『エスピリトゥ・サルバヘ（Espiritu Salvaje）』までは好きで聴いていたものの、正直に言うとその後は全くフォローしていませんでした。久々に最近の活動が気になってチェックしたところ、今年の夏にデジタルリリースでカバーアルバムが発表されているのを知りました。そのアルバム『Nuestras Canciones』がとても良かったので紹介します。

カバーされているのは、本国アルゼンチンをはじめ、ブラジル、ペルー、ベネズエラといった南米のポップスやロック、フォルクローレなどが中心。キンクス、ムタンチス、トン・ゼーといった著名な音楽家たちの名曲や、母親がベネズエラ出身のデヴェンドラ・バンハート作も収録されています。

素晴らしいのは、いずれの楽曲も一聴してオンダ・バガとわかる世界観になっているところ。オリジナルバージョンの持つ歌の強度を失わずに、演奏者ならではの魅力やテイストが滲み出ているのが優れたカバー作品である必要条件だとしたら、本作はまさにそのエッセンスが宿ったアルバムだと思います。

リリースに伴うインタビューによると、以前からカバーアルバムの構想はあったのだそうです。40曲ほどのカバー候補から吟味して12曲に絞り込んだのが本作。その半分程度はライブでも長くレパートリーになっているとのことです。

よく知られているキンクス「Sunny Afternoon」やムタンチス「Minha Menina」のカバーも良いのですが、個人的には冒頭の「Xuxa Park」がベスト。ノスタルジーとペーソスが入り混じるフォーキーな仕上がりで、とてもオンダ・バガらしい一曲です。

アルバム全篇通して彼らの魅力が詰まったアルバムだと思いますので、いつかぜひCDやレコードといったフィジカルリリースをして欲しいです。