いつもより早く涼しくなって秋を感じるようになった今年の9月。今日は、個人的に秋から冬にかけてひとりで過ごす時によく聴くシンガー・ソングライター、ウィリアム・フィッツシモンズの作品から最新作『The Pittsburgh Collection』と、特によく聴く一枚を紹介します。(カドピ)
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2015年春にCDとデータでリリースされた「Pittsburgh EP」7曲に新曲6曲をプラスした全13曲をアルバム・リリースしたものです。彼は現在イリノイ州を中心に活動していますが、このアルバムには故郷であるピッツバーグへの気持ちが歌われています。
アコースティックで深く静かに染み込んでくるメロディに、時にはリズムマシンを使用した柔らかなエレクトロニカを作り出したりする彼の世界観が現れた作品です。
William Fitzsimmons 「Better」
William Fitzsimmons 「I Had To Carry Her (Virginia's Song)」
William Fitzsimmons 『The Sparrow and The Crow』
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2009年に発売されたこのアルバムは彼の離婚がテーマとなっています。全編を通して彼の別れてしまった妻への愛と悲しみに溢れて、メロディが本当にエモーショナルで悲しいほどに美しい作品です。特にA-1「After Afterall」がすごく好きで。
William Fitzsimmons 「After Afterall」
ウィリアム・フィッツシモンズは盲目の両親の長男として音楽一家に生まれ、一時はセラピストとして働きながらも音楽の道を進みはじめました。自分の経験や感情を歌に映すその生き方はまさにSSWそのものだなと思うのです。ひとりの夜に、ぜひ聴いてみてください。