2016年8月6日土曜日

クール・ブラジル

リオ五輪開幕にちなんで、ブラジル生まれの素晴らしい作品を4枚セレクトしました。いずれも暑さを少し和らげてくれるようなクールネスが宿っています。ぜひそれを感じて頂ければ幸いです。(カワズ)


サウル・バルボーザ 『O Ar O Tempo E O Vento (空、時、そして風)』

1984年にインディペンデント・レーベルからひっそりとリリースされていた一枚がCDでリイシューされました。フュージョンテイストの凝ったリズムアレンジや作品全体を覆うメランコリックな空気感からは、音楽に対する飽くなき好奇心や、時を経ても色褪せない歌心が滲み出ています。ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェスらに代表されるミナス音楽とも共鳴する作品だと思います。

「São Jorge dos Ilheus」

ホドリゴ・ベゼーハ 『Tempo Ilusão』

ホドリゴ・ベゼーハ(Rodrigo Bezzera)はブラジルの首都ブラジリアで活動するシンガー・ソングライター。本作は2014年にリリースされた彼のファースト・アルバムです。ボーカルにアナ・ヘイスをフィーチャーした中盤の「Além de Acordes」をはじめ、ジャジーなアンサンブルにアコースティックな質感の音像が交錯する必聴盤。

「Além de Acordes」

レオ・トマッシーニ 『Arpoador』

1940年代後半にキューバで生まれた音楽“フィーリン”のような、甘やかでノスタルジックな世界観。遠い思い出とともに胸に迫るひと夏のサウダージ。リオ在住レオ・トマッシーニによるこのセカンドアルバムは、アンニュイでロマンティックなムードが作品全体に漂う、珠玉の一枚です。

「Arpoador」

レオ・ミナックス 『Sem Tirar Nem Pôr (引きも足しもせず)』

ミナスジェライス出身のシンガー・ソングライター、レオ・ミナックスによる2011年作。『引きも足しもせず』という邦題がついた本作は、タイトルが示す通り、アコースティック・ギターとボーカルだけで構成された、親密かつエモーショナルな弾き語り作品。重ね録りも施されていない、まさに直球勝負のアルバムです。

「Causa Y Efecto」