2023年10月31日火曜日

Sound of Afterglow vol. 43《Wave to Earth》

熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の43回目が放送されました。今回は、韓国の3ピースバンド、Wave to Earth(ウェーヴ・トゥ・アース)を特集しました。最新作『0.1 flaws and all』が今年のアジア勢の中でも個人的にはお気に入りのアルバムのひとつです。(カワズ)

Wave to Earth(ウェーヴ・トゥ・アース)は、2019年にデビューした韓国ソウルを拠点に活動しているトリオバンド。この曲は、昨年末セレナ・セラータのスタジオにお邪魔したときに、2022年の年間ベストソングのひとつとして紹介させて頂きました。これまでは夏をテーマにした楽曲が多かった彼らですが、タイトルのとおりどこか乾いた質感が印象的なナンバーで、秋から冬にかけてのこれからの季節が似合います。

「Light」は、Wave to Earth(ウェーヴ・トゥ・アース)の2019年にリリースされたファーストEP『wave 0.01』に収録されている、彼らの初期の代表曲です。Wave to Earth(ウェーヴ・トゥ・アース)のメンバーは、キム・ダニエル(Vo兼G)、シン・ドンギュ(Dr)、チャ・スンジョン(B)。2019年にダニエルとドンギュの二人で結成され、2020年にスンジョンが加入したのだそうです。若手ながら徹底してアナログでローファイな生音サウンドを志向していて、さらにジャズの要素をうまく取り込んでいて、韓国のバンドシーンの中でも存在感を示しているグループです。


続けてお送りした「Summer, Night」は、女性ボーカルにJeon Jin Hee(チョン・ジニ)をフィーチャーした2021年のシングル曲。バンドが醸し出す切ないチルアウトサウンドとメロウな旋律が、彼女のアンニュイな歌声とマッチしています。夏の終わり頃のメランコリックな余韻を感じさせる一曲でとても好きです。ちなみにチョン・ジニはシンガー・ソングライターでピアニストでもあります。彼女のソロ作品は世界観が独特で、静謐としたアンビエントなサウンドが魅力的です。

最新アルバム『0.1 Flaws and All』(2023)に収録曲から3曲お届けしました。最後の「Bad」はそのアルバムの冒頭に収められている曲で、はじめて聞いたときに、これは最高の作品だと確信させてくれた珠玉のナンバーです。シティポップ的な解像度の高いハイファイなサウンドと、ざらっとしたローファイ&即興的ジャズの要素がいい塩梅にミックスされた素晴らしいアルバムです。ぜひ全編通してチェックしてみてください。
それから彼らの作品にはすべて数字が含まれています(『wave 0.01』『summer flows 0.02』『0.1 Flaws and All』)。『0.01』、『0.02』と続き、今作のフルアルバムでは『0.1』となって桁が一つ上がったので、バージョンアップ的な意味合いがあると推測しています。《1》となった時がバンドの完成形/到達点だとすると、彼らが作るサウンドは《1》に向かってアップデートをしている途中であるということなのかも知れません。

コーナーのラストは、セカンドEP『summer flows 0.02』(2021)に収録されているナンバーをお届けしました。ひと際メロウでチルなサウンドが広がっています。

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今回オンエアした楽曲を中心に構成したSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲も含めてセレクトしていますので、ご興味のある方はこちらもぜひ。