2022年5月15日日曜日

日々の余韻アーカイブス(その26)~オレンジアルバム~

今日の投稿は、2013~2014年に【日々の余韻】というタイトルでSNSに毎日アップしていた投稿のアーカイブ記事です。オレンジ基調のジャケットが印象的なアルバムを4枚集めてみました。(カワズ)

2013年4月13日【日々の余韻 Daily Afterglow 002】
Liam Hayes & Plush "Bright Penny" (2009)
シカゴを拠点に活動するPlushことLiam Hayesのサードアルバム。前作『Fed』の魅力だったブルージーで混沌とした匂いは今作では少し抑えられ、より普遍的なソウル~ポップスへのアプローチが顕著です。「Take A Chance」がもたらす高揚感にいつも酔いしれてしまいます。新作がいつも待ち遠しい、個人的にもオールタイムで尊敬するアーティストのひとりです。


2013年5月13日【日々の余韻 Daily Afterglow 032】
Josh Rouse "1972" (2003)
ネブラスカ出身のシンガー・ソングライター、ジョシュ・ロウズが自身の生まれた年をタイトルに冠して2003年に発表した4thアルバム。メロディに対する高い美意識やコンセプチュアルな曲間や曲順から、タイトルが示す70年代前半のSSW作品の多大な影響を強く感じる力作です。同時に、PHOENIXなどを思わせるエレクトロ/クラブミュージック的なアプローチもあり、彼のその音楽的な視野の広さが、懐古主義に陥らない所以なのだと思います。


2013年8月14日【日々の余韻 Daily Afterglow 125】
Don Brown "I Can't Say No" (1977)
1970年代の中盤から後半にかけて、アメリカのソロアーティストの作風がSSW的なものからAORに移行していく途中の音が好きで、1977年のドン・ブラウンのこのアルバムは個人的にその最筆頭の一つ。メロディラインやコーラスは涼しげなのに、表情豊かなエレピのフレーズや隙間ある音作りによって、どこか温もりや郷愁を感じさせる作品です。イントロで一気に引き込まれる「Romance & Magic」やクリス・レインボウが頭をよぎる表題曲「I Can't Say No」、アコースティックなカバー「Over The Rainbow」、ゆったりめのメロウグルーヴ「Tango」などがハイライト。


2014年1月31日【日々の余韻 Daily Afterglow 287】
Wechsel Garland "Easy" (2006)
Wunderとして90年代にエレクトロニカの傑作を残したヨルグ・フォラート。2000年代になると、ヴィクセル・ガーランドという名義でリリースを続けています。ヴィクセル名義の他のアルバムやWunderの作品に比べ、このアルバムは歌モノとしての要素と、生音感が強いのが特徴的。一曲目の「Walker」は、どこか物憂げな旋律にアコースティックギターの乾いたフレーズがタイトに絡みつく、最高にクールなナンバーです。