2016年6月19日日曜日

Yoav Ilanが描く、言葉のない物語

最近は仕事が忙しく、特に平日はじっくり音楽に向き合えない日もあったりします。そんなときでも、疲れた心の凝りを優しく解してくれる素敵なアルバムに出逢うと、とても嬉しい気分になるものです。

今日は簡単に一枚だけですが、Yoav Ilanのソロピアノ作『Stories Without Words』を紹介します。





Yoav Ilan 『Stories Without Words』 (2013)

Yoav Ilanはスペイン出身でヨーロッパを拠点に活動するピアニスト。プロフィールによると、彼がピアノに目覚めたのは21歳のときなのだそうです。
2013年に発表された本作は、シンプルな旋律のワルツを中心とした、とても情緒ある作品。聴くたびに、どこかノスタルジックでメランコリックな風景が目に浮かんできます。オフィシャルサイトで「シネマティックでスイートでロマンティック」と称されているのも頷けます。

本人は、「“言葉の向こう側”からインスパイアされたのが私の音楽です」と述べているのですが、本作のタイトルを「言葉のない物語」と訳すとすれば、彼の音楽との向き合い方をそのまま具現化した作品と言えるでしょう。

ビル・エバンス、チリー・ゴンザレス、ウリセス・コンティ、ヘニング・シュミート、坂本龍一、中島ノブユキ…。偉大なピアニストたちの作品と、時代や海や言葉を越えて静かに共鳴する素晴らしい一枚だと思います。

1. Blue Waltz



4. Waltz For Lulu



8. Sweet Love Dream



11. The Journey Home