今年チェックしたインドネシアシーンの中で、個人的ベストはこれ。シンガー・ソングライターBernadya(ベルナディア)の『Terlintas』。イチオシの一枚です。(カワズ)
Bernadya(ベルナディア)はインドネシア・ジャワ島スラバヤ出身のシンガー・ソングライター。今年の夏頃、Spotifyをチェックしていたら彼女の1stEP『Terlintas』がたまたま耳に入り、それ以来ずっとお気に入りでよく聴いています。
彼女のファーストEP『Terlintas』は、今年の6月にデジタルリリースされました。フィジカルでは発売されていないと思います。ちなみにTerlintasとは、インドネシア語で「思いが脳裏をかすめる」というニュアンスのようです。
アンニュイで内省的な佇まい、少しばかりアンビエントな質感、親しみやすい透明感のある歌声、ベッドルームポップを思わせるメロディー。5曲入りのコンパクトな作品の中に、いろんなエッセンスな見事にバランス良く配合されています。
メインのプロデューサーは、シンガー・ソングライターとしても活動するRendy Pandugoという人物なのですが、個人的には、シングルとしてもリリースされた2曲目の「Masa
Sepi」のプロデューサーとしてLafa Pratomo(ラファ・プラトモ)が関わっていることに驚きと嬉しさを感じました。モンド・ガスカロ(Mondo Gascaro)やダニラ(Danilla)等との仕事ぶりもさることながら、直近では人気バンドGrrrl Gangのプロデュースも行うなど活躍のラファ・プラトモ。近年のこの国のインディーシーンで存在感を高めているキーパーソンの一人なので、彼の名前を覚えておいて損はないと思います。
ところで、先月ジャカルタで開催されたJoyland Festivalに遊びに行ったのですが、彼女もそのフェスの初日に出演していました。出演時間帯はメインステージのベニー・シングスと重なっていて観ることを諦めていたのですが、悪天候によるタイムテーブルの乱れが幸いして、彼女のステージも観ることができました↓
愛らしい笑顔と凛とした佇まい、安定感のある透き通る歌声が印象的でした。ライヴ中に驚いたのは、音楽に対するオーディエンスの反応。日本だと静かに耳を傾けるような彼女の音楽も、インドネシアではみんなで大合唱していました。現地に住む友人に聞いたところ、そうした光景はこの国のライヴシーンでは日常的だそうで、観客は歌を一緒に歌うためにライブに行くという感じなのだそうです。
最後に、Bernadya(ベルナディア)は以前、姉妹ユニットCeline &
Nadyaで活動していました。その名義で2021年にはアルバムもリリースされていて、ソロに比べるともう少しライトな質感のサウンドですが、こちらも良い感じです。Spotifyに音源があるので貼っておきます↓