2021年6月13日日曜日

rêve 〈夢〉


昨日(6/12)、神戸にあるiiba galleryで行われた、常本若菜さんのコラグラフ作品展&アルバム『rêve』制作に纏わるトークイベントに足を運びました。(カワズ)


常本さんは、resonance musicが昨年末にリリースしたコンピレーションアルバム『rêve』のジャケットアートを手掛けていて、トークイベントでは、アルバムの選曲をされた吉本宏さんが聞き役となり、コラグラフによるそのアートワークの制作裏話をお話されました。



コラグラフとは凹版プレス機を使って刷る版画の一種で、素材は紙製品を用いています。常本さんがモチーフとするのは、量産される食品パッケージなどをはじめ、どれも生活感のあるものたち。身の回りにある何気ないアイテムが、作品の制作過程で新たな役割を果たしていることが興味深かったです。


今回の中心的作品である『rêve』のジャケットに使われている素材は、使い古されたアナログレコードの厚紙スリーブ。それを円状に千切って版にしています。アルバムに同封されている解説書のカバーにはソノシートがあしらわれていて、アナログレコード好きには何ともそそられるデザインになっています。



アルバム『rêve』の選曲のテーマは“夢”。ポストクラシカルを中心とした室内楽や静謐なソロピアノ、さざ波のようなエレクトロニカ、郷愁の念を呼び覚ますギター、穏やかなスティールパンの調べ。どの曲も、6月の生温い風や梅雨の湿り気と混ざり合ってすごく心地良いです。まだ買ったばかりでゆっくり聴き込めていませんが、日曜日の昼下がりに流していると、まさに夢心地な気分になります。


このアルバムは音楽単体で聴くというより、物として所有し、アートワークを手元で味わったり解説書を読んだりしながら末永く楽しむアイテムだと思います。エンボスの効いたジャケットの、ソフトな紙の手触りも素敵です。今はサブスク全盛期ですが、こうした音楽との触れ合い方、アートフォームもあるのだと、改めて思い知らされた気がしました。



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『rêve』

《Track List》
1. Rêverie〈夢想〉 / DUO calavento
2. Marginalia #36 / Masakatsu Takagi 高木正勝
3. First / Jamison Isaak
4. dew 花と雫 / Eriko Uegaki 上柿絵梨子
5. rêve / Akira Kosemura 小瀬村晶 ※録りおろし
6. Data Taken Over Under Rating / Test Card
7. こはる / Sui sai 菅間一徳、蔡怜雄
8. First Love / Jesse Brown 
9. Seventy Seven Years Later / Bruno Sanfilippo
10. Leaving / Library Tapes
11. String Quintett No.1 in E flat major “Larghetto affettuoso” / Ensemble Entr’Acte
12. SENNE I / Sławek Jaskułke
13. Clair Du Lune〈月の光〉/ Genichi Tamura 田村玄一

Compiled by Hiroshi Yoshimoto
Photography and Edited by Mika Nakasho
Art works Wakana Tsunemoto
Design Masaru Iba, Sadae Iba (tramworks)
Package manufacturing Keisuke Shinohara (Shinohara shiko Ltd.)

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