梅雨が始まる前のこの時期、日中は夏日になっても、遅い時間はまだからりと涼しかったりもしますね。今日は、心地良い夜風が似合うロマンティックな作品を4枚ご紹介します。(カワズ)
ジ・インク・スポッツ 『ベスト・オブ・ジ・インク・スポッツ』
米国インディアナ州出身のジ・インク・スポッツは、戦前から戦後にかけて人気を博したボーカルグループで、本作は彼らの名曲をコンパイルしたベスト盤の一つです。優美なメロディとソフトな歌声、そして小気味好いピアノ。その古き良きロマンティックな雰囲気は、ボサノバや、キューバのフィーリン音楽とも共鳴する味わいがあります。
The Ink Spots - If I Didn't Care
マテオ・ストーンマン 『アンダー・ザ・ムーンライト』
アメリカのシンガー・ソングライター、マテオストーンマンのサードアルバムは、表題曲を含む二曲のオリジナル曲を除いて、戦前の流行歌のカバーが中心の2013年作。彼の中性的な歌声と、モノラル録音を採用したまろやかなヴィンテージ・サウンドが、月明かりが照らす夜に優しく溶け込む贅沢な一枚です。
Mateo Stoneman - Dream a Little Dream of Me
キャスリン・ウィリアムス 『レゾネイター』
リバプール出身のシンガー・ソングライター、キャスリン・ウィリアムスが、ヴィブラフォン奏者、アンソニー・カーを迎えて作ったジャズ・ボーカルのカバー集。アルバム冒頭の「You Don't Know What Love Is」が醸し出す艶やかなボーカルとビブラフォンの響きが、一気に聴く者を異空間へと引き込みます。このセットでライブを見てみたいです。
アラ・ニ 『ユー&アイ~四季の歌~』
ロンドンで活動するフィーメル・アーティスト、アラ・ニ(ALA. NI)の2016年作。前年に発売していた複数のEPを中心に、フル・アルバムとしてまとめられた作品です。往年のジャズシンガーを彷彿とさせるベルベット・ボイスと、エキゾチックな独創性、そしてさまざまな“四季の歌”に宿るノスタルジーに魅了されました。