英国の女性シンガー、Rumer待望のニュー・アルバム『This Girl's In Love』がようやくリリースされました。今週と来週は彼女の作品を特集。今週は本人名義のオリジナルアルバム4枚についてご紹介します。(カワズ)
■Rumer 『This Girl's In Love』 (2016)
ルーマーの新作は、アルバムのタイトル通り、バート・バカラック&ハル・デヴィッドというポップス界屈指のコンビが手掛けた曲のカバー集。「Walk On By」「Close To You」などの往年の名曲をはじめ、どこかで聴き憶えのあるナンバーばかり並んでいます。馴染み深いオーソドックスな選曲だからこそ、彼女のボーカリストとしての唯一無二の存在感が際立つ作品です。
「What The World Needs Now Is Love」
「Walk On By」
■Rumer 『Into Colour』 (2014)
親しみやすい旋律と心地良い4つ打ちがクセになるリードナンバー「Dangerous」をはじめ、オリジナル曲のみで構成されたルーマーの2014年作。アダルトな質感の艶のある世界観が素晴らしい一枚です。流麗なボーカルから紡がれる、アメリカンでブルージーな歌の数々にグッときます。彼女の作品中、個人的に一番好きなアルバムです。
「Dangerous」
「You Just Don't Know People」
■Rumer 『Boys Don't Cry』 (2012)
ルーマーのセカンド『Boys Don't Cry』は、男性シンガー・ソングライターの曲を集めたカバーアルバム。1960~70年代のSSWモノということもあり、全体的に他のアルバムよりフォーキーな質感の作品です。どの曲も素晴らしい仕上がりですが、中でも白眉はシングルにもなったジミー・ウェブ作「P. F. Sloan」、そしてトッド・ラングレンの代表曲「Be Nice To Me」。
「Be Nice To Me」
「P.F. Sloan」
■Rumer 『Seasons of My Soul』 (2010)
パキスタンで幼少時代を過ごしたルーマーの2010年の記念すべきデビューアルバムにして傑作。ふくよかなベースラインに支えられながら、音数を絞ることで緩やかに広がるドリーミーなサウンドスケープが、幻想的な匂いと圧倒的な凛々しさをもたらす一枚です。シングルにもなった「Come To Me High」や「Slow」をはじめ、名曲多数。