2016年5月29日日曜日

ピアノが似合う男たち


前回は女性アーティストに絞って紹介しましたが、本日は男性特集。『ピアノが似合う男たち』と題して、どこか内省的でフォーキーなシンガー・ソングライターたちのアルバムを4枚集めてみました。いずれの作品も、心に響く普遍的なグッド・メロディが詰まっています。(カワズ)



Ralegh Long "The Gift" (2012)

イギリスで活動するRalegh LongのセカンドEP。1曲目の「Elizabeth」が醸し出すメロウ&ロマンティックな旋律に一聴して好きになりました。シモン・ダルメの名盤『The Songs Remain』とも通じる幻想的で優美な作品。2015年のフルアルバム『Hoverance』も素晴らしいです。




Jørn Åleskjær "I'm So Glad I Spent This Day With You" (2012)

ノルウェーのインディバンド、The Loch Ness Mouseのソングライターとしても活動するヨルン・アレシャールのソロアルバムです。並べて聴きたいのは70年代のフォーキーなSSWやニューソウル、あるいは80年代前半のハワイアンAOR。それらが携えていた心地良いメロウネスとエバーグリーンな輝きが本作にも宿っています。




Tobias Jesso Jr. "Goon" (2015)

2015年の個人的ベストディスク。昨年末にも紹介しましたが、素晴らしい作品なのであらためてのご紹介です。トバイアス・ジェッソJr.はカナダ・バンクーバー出身のシンガー・ソングライター。本作は彼のファーストアルバムです。センチメンタルなメロディラインと素朴な歌声、そして作品全体を覆うどこか哀しみを帯びた空気感。デビュー作とは思えないほどの深みと重みを感じる一枚です。その孤独な佇まいはランディ・ニューマンやトム・ウェイツを彷彿とさせます。


Liam Hayes (Plush) "More You Becomes You" (1998)

メジャーコードに切なさを、マイナーコードに憂いを滲ませるシカゴの才人、リアム・ヘイズ。近年コンスタントにリリースを重ねる彼のファーストアルバムは、ナイーヴな歌声とグランドピアノによるシンプルな旋律がどこまでも儚く響く素晴らしい一枚。静かな夜をよりいっそう鎮める、センシティヴな作品です。