僕は以前からソフトロックと呼ばれる音楽が好きで、新旧問わず聴いています。元々は主に60年代後半から70年代にかけて生まれた、メロディやコーラスワークが美しいハイクオリティなポップスを指した言葉ですが、21世紀になった今も、ソフトロックの精神を受け継いだ音楽はたくさん作られています。今日はそのなかでも、いつかアナログレコード(LP)でリリースされたら嬉しいなと個人的に思う音源をいくつか紹介します。 (カワズ)
The Heavy Blinkers "The Night And I Are Still So Young" (2004)
90年代後半から活動を続けるカナダのグループによる2004年作。丁寧なサウンドメイキングが醸し出す、優美で透明感溢れる世界観に魅了されます。しっとりと奏でられるホーンやストリングスの音色、そしてどこか懐かしい旋律が、聴く者の心に宿るメランコリーをソフトに刺激するアルバム。
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Giorgio Tuma "My Vocalese Fun Fair" (2009)
新作『This Life Denied Me Your Love』も素晴らしかったイタリアのSSWジョルジオ・トゥマのセカンド・アルバム。普遍的なポップスの旋律、上品に織り込まれるストリングス、卓越したコーラスワーク。聴くたびに切なく胸に響く名盤です。曲数が多めですが、ほとんどが2~3分台で最後まで全く飽きない一枚。
The Ocean Tango "The Ocean Tango" (2010)
フランスのネオ・アコースティックなSSWルイ・フィリップとスウェーデンのTestbild!。二組のポップ職人による共作アルバムは、全体を覆うドリーミーなアレンジが素晴らしい一枚です。冒頭から響き渡るメロウでシネマティックなサウンドスケープに思わず身を委ねてしまします。アナログリリースの動きもあったようですが、恐らく実現しないままの状態です。
Yani Martinelli "Bubble Station" (2012, 2015)
ベネズエラ出身、マドリッド在住のジャニ・マルティネッリのアルバム。限定100枚の自主製作盤でしたが、2015年に国内盤としてリリースされました。ショーン・オヘイガン(ハイラマズ)やスコット・ブルックマンの協力のもと作られた本作は、アコースティック・ギターを中心にした穏やかなサウンドながら、随所に散りばめられたソフトロック~サンシャイン・ポップのエッセンスがキラリと光る逸品。
Beth Sorrentino "Would You Like To Go: A Curt Boettcher Songbook" (2013, 2014)
60年代に“ミレニウム”や“サジタリアス”をといったグループを手掛けた名プロデューサー、カート・ベッチャー。本作は彼が作ったマジカルなナンバーをベス・ソレンティーノがカバーした珠玉の作品です。チャーミングな歌声と上質なアレンジは、原曲に宿る幻想的な美しさを損なうことなく、往年のソフトロックの名曲に新たな息吹をもたらしています。
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Alberto Continentino "Ao Som Dos Planetas" (2015)
ブラジルのベーシスト、アルベルト・コンチネンチーノによる初のリード作で、2015年、個人的に最もよく聴いたアルバムのひとつ。ジャケットのシックな質感とは裏腹に、色彩豊かでグルーヴィな楽曲が並びます。バート・バカラックやロジャー・ニコルスといった偉大なポップマエストロからの影響を感じつつも、どこか未来的なサウンドに仕上がってるから不思議です。
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