2024年1月29日月曜日

Sound of Afterglow vol. 46《Best of Asia 2023》

熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の46回目が放送されました。今回は「2023年の年間ベスト」的な特集として、昨年リリースされたアジア勢の中から、特に印象に残った楽曲をご紹介しました。(カワズ)

日本のインドネシア音楽ファンの間でも定評のある女性アーティスト、Vira Talisa(ヴィラ・タリサ)。4年ぶりの2ndアルバム『Bloomingtale』は、それまでのインディポップ路線から、ジャズボーカルよりの作風にシフト。お届けしたこの曲は、まさにその軽やかで艶やかな世界観を象徴するナンバーだと思います。


このコーナーでは常連となりつつある、インドネシアの才能溢れるシンガーソングライターArdhito Pramono(アルディート・プラモノ)。2023年も精力的で、複数のシングル曲をコンスタントにデジタルリリースしました。この曲は、ギルバート・オサリバン直系のメロディラインが素晴らしい70sテイストのポップソング。ストリングスのアレンジや旋律もかなり全盛期のオサリバンを意識しているのがわかる、まさにオマージュ的な楽曲だと思います。


Skastra(スカストラ)は、男性6人編成のインドネシアのバンド。グループ名のとおり、スカ~ロックステディが彼らの得意ジャンルです。この曲は、『Minor 7』(2017)、『Persona』(2019)に続く3rdアルバム『Metanoia』の収録曲。前作までと同様、透明感のあって甘くピュアなボーカルが心地よく、サウンドもとても都会的で洒落ています。


2019年にデビューしたタイ・バンコクの6人組バンドLoserpop(ルーザーポップ)。2020年リリースの1st『Stupid Love Song』に続く2nd『Happysad』(2023)収録のシングルナンバーをお届けしました。前作のチルアウトなシティポップ路線から、今作は少しAORサウンドが加わって奥行きが広がった印象です。2023年は、タイのインディシーンから優良な作品が多く生まれてきたと感じています。あらためてタイインディーズの特集を今年はお送りしたいと考えています。


BTSのメンバー、キム・テヒョンによるソロプロジェクトV(ヴィ)が昨年リリースしたアルバム『Layover』に収録されたひと際ジャジーなナンバー。R&B、70sソウル、新世代JAZZがミックスされたようなハイブリッドなポップ作品で、個人的にも、昨年のアジア関連作品の中で、ベスト5に入れたいアルバムです。全編を通してハイクオリティな作品ですが、特にこの曲は、後半から聞こえてくるフルートの音色がとても気持ちよく、通好みのサウンドに仕上がっています。


1997年生まれの香港のシンガー・ソングライターLeah Dou(リア・ドゥ)。4thアルバム『春遊』収録曲からお届けしました。元々クラブ寄りのサウンドを志向していましたが、近年ではさらにHipHopへのアプローチが顕著。本作でも半ばミックステープのような世界観が漂っています。日本留学経験がある彼女のフェイバリットはゆらゆら帝国なのだそう。母親は90年代に日本でも人気を博した王菲(フェイ・ウォン)


昨今の台湾シーンを代表するネオソウル~R&B~ジャズシンガー9m88(ジョウエムバーバー)。大学でファッションを専攻したあと、NYの名門校《The School of Jazz & Contemporary Music》でジャズを学んだのだそうです。多彩なヴォーカルスタイルと幅広い表現力を見せた最新アルバム『Sent』でさらに高い評価を得ています。そのアルバムからタイトル曲を最後にご紹介しました。


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今回オンエアした楽曲を中心に構成したSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲も含めてセレクトしていますので、ご興味のある方はこちらもぜひ。