2021年12月12日日曜日

日々の余韻アーカイブス(その25)~冬の温もり~


今日の投稿は、2013~2014年に【日々の余韻】というタイトルでSNSに毎日アップしていた投稿のアーカイブ記事です。冬の寒さを和らげてくれるような、温かみを感じるアルバムを6枚集めてみました。(カワズ)

2013年4月14日【日々の余韻 Daily Afterglow 003】
mamerico "minuscule"
繊細なピアノが印象的な異国情緒漂うワルツナンバーで幕を開け、全編通してアコースティック主体のゆったりとしたアルバムです。プロデュースと全ての楽器演奏を手がけたのはスウェーデン出身のSSWヨハン・クリスター・シュッツ。実に丁寧に奏でられる一つひとつの音とともに、贅沢な時間を過ごすことができます。
♪Waltz for Hulot


2013年9月29日【日々の余韻 Daily Afterglow 171】
Inger Marie Gundersen "Make This Moment"
インゲル・マリエ・グンナシェンはノルウェー出身のジャズシンガー。彼女のファースト・アルバムは、北欧特有の透き通ったムードの中、温もりのあるくぐもったボーカルが際立つ極上のジャズ・スタンダード作品。冒頭の「Let It Be Me」やキャロル・キングの名曲「Will You Still Love Me Tomorrow」のカバーはボーカリストとして最大級の魅力が詰まったナンバーです。


2013年11月20日【日々の余韻 Daily Afterglow 215】
Stanley Cowell "We Three"

ジャズ・ピアニスト、スタンリー・カウエルによる日本録音のピアノトリオ作。まるで水の上を飛び跳ねるように躍動するスタンリーの軽やかなタッチ、そしてどっしりとしたグルーヴを醸し出すドラム&ベース。トリオアンサンブルの凄味を味わえる一枚です。親しみ易くポップなイントロから徐々に熱を帯びる「Sienna Welcome My Darling」をはじめ、冬めいてきた季節をカラフルに彩る名曲揃いの作品です。


2013年11月21日【日々の余韻 Daily Afterglow 216】
Roger Morris "First Album"
英国出身のSSWロジャー・モリスによる、その名も『ファースト・アルバム』。アコースティックギターとともに木のそばで遠慮がちに佇むジャケットが印象的な一枚です。聴く前はその地味目なアートワークや年代から、英国産トラッドフォークな作品なのかと思っていましたが、意外にもアメリカン・ルーツミュージックの影響が色濃いアーシーなサウンドで、ザ・バンドが良く引き合いに出されるのも頷けます(後に渡米したそうです)。素朴な歌声と親しみ易いメロディが魅力の「Showdown」が個人的には一番好き。


2013年12月26日【日々の余韻 Daily Afterglow 251】
堀込高樹 "Home Ground"
寒い季節を迎えるたびに何度も聴き返す冬の名盤。キリンジの作品でもそうですが、聴き手の想像力を掻き立てる文学的でウィットに富んだ歌詞の世界観はなかなか真似できないものだと思います。例えば「一度きりの上映」で、メランコリックな情景に挟みこまれるこんなフレーズ。“新しい駅とビルが生まれてみんな大騒ぎ”。決してセンセーショナルな言葉を用いることなく紡がれるアイロニックな表現に思わずドキッとさせられます。メロディーや楽曲の素晴らしさは言うまでもありません。


2014年1月24日【日々の余韻 Daily Afterglow 280】
The Leisure Society "The Sleeper"
暖かな陽気に導かれて、今日は少し春を感じる一枚を。英国の大所帯バンド、レジャー・ソサエティのファーストアルバムは、メロウで叙情的な旋律と、奥行きあるアコースティックなアレンジが心に響く作品。緩やかにたゆたうワルツ「The Last of the Melting Snow」を聴きながら、雪解けの季節を静かに待つ。