先日SNSで告知しましたが、音楽雑誌ラティーナ最新11月号の『So Quiet~静寂のための音楽』という特集記事に選盤・寄稿しました。(カワズ)
その特集のお題は、"静寂が欲しいときに聴く音楽"というもの。そこである選者の方が「静寂が欲しいなら無音にすれば良い、と、そんな単純ではない」と述べられていましたが、その言葉は正に自分自身の経験則とも重なります。
僕は以前から耳鳴りに悩まされてきました。ライブハウスやクラブなどで大きな音で音楽を聴いた直後は誰しも周囲の音が多少聞こえづらくなると思うのですが、自分の場合、平均して三日程度は「キーン」という耳鳴りが止みません。スピーカーに近いところでは聞かない、なるべく後方で楽しむ、といった回避策を色々と講じてきたのですがあまり効果が出ず、今ではそうした場所に行くときは耳栓が必携になっています。
また数年前には、仕事の疲労やストレスが原因で突如メニエール病を発症したことがありました。このときの耳鳴りは騒音性のものに比べてさらに不快度数が高く、めまいも併発していたのでひと際閉塞感に苛まれた記憶があります。それ以来、仕事の疲れが溜まったりすると「キーン」が聞こえてきます。つまり自分にとって耳鳴りは心身的ストレスのバロメーターなのです。
耳鳴りの症状で特に困るのは夜寝るとき。昼間は生活音がかき消していた「キーン」がうるさくてなかなか眠りにつくことが出来ません。”無音状態”が一番辛い。
僕にとって「静かな音楽」は、そんな最低な夜のお供なのです。