2025年1月29日水曜日

Sound of Afterglow vol. 58《Best of Asia 2024》

熊本シティエフエム金曜日の番組「セレナ・セラータ」の音楽コーナー《Sound of Afterglow》の58回目が放送されました。今回は「2024年の年間ベスト」的な特集として、昨年リリースされたアジア勢の中から、特に印象に残った楽曲をご紹介しました。(カワズ)

シンガーとギタリストの女性2人組LANDOKMAI(ランドクマイ)は、2019年デビューのドリーム~インディ・ポップユニット。お届けたしたのは、昨年2月の1stアルバム『All My Purple Feelings』に収録されているシングル曲。アルバム全体で素晴らしく、昨年の個人的ベストアルバムの一枚です。


インドネシアのネオソウルバンドThee Marloes(マーローズ)。ソウルバンドらしく、2021年からシングルリリースを続けてきましたが、昨年満を持してアルバム『Perak』をリリース。10月に来日公演を行いました。2023年にジャカルタで開催されたJoyland Festivalで彼らのパフォーマンスを鑑賞したのですが、インドネシアのバンドでありながら、ローカルな現場にどこか馴染めていなかった印象がありました。でも逆にそれがグローバルな活動を予感させる感じがしていたので、海外での活躍はとても嬉しいです。


インドネシアのジャカルタを拠点とする男女デュオThe Cottons(ザ・コットンズ)。2016年結成し、その年にデビューシングルを発表しました。その後、長い休止期間を経て、この曲が収録されたEP『Harapan』を昨年リリース。紹介した「Harapan Pt.1」は全3曲の組曲構成になっていいて、シームレスに続くPt.2とPt.3も素晴らしいです。途中でプログレ的な展開になったりして、近年の楽曲にしては一曲当たりも長めですが冗長さはまったく感じません。個人的にはこのEPがアジア勢の中では2024年のベストアルバムです。


FUGŌ(フーゴ)は2019年に結成されたマレーシアの三人組オルタナティヴロック・バンド。2024年のデビュー・アルバム『99』に収録されている一曲です。70年代後半~80年代のポップ、ファンク、モダン・ロック、ニューウェーブからの影響を受けたとのことで、アルバムもヴィンテージな質感とモダンなサウンドがミックスされています。10年前だと野暮ったいと思われていた80sサウンドが基調だが、リバイバルした今となってはとても洗練された仕上がりに聴こえます。


2024年8月にリリースされたPeter Cat Recording Co.(ピーター・キャット・レコーディング・カンパニー)の最新アルバム『BETA』に収録。昨年9月に本コーナーで彼らの特集回をしました。本作はミュージックマガジンの部門別ベストアルバムにもノミネートされるなど、ライターや批評家の間でも大好評。来日公演に期待したいです。


インドネシアのジャズ・ボーカリストAdikara(アディカラ)による目が覚めるような上質なシティポップ。2018年にCHASEIROのチャンドラ・ダルスマンに見出され、チャンドラのカバーアルバム『Detik Waktu』で歌唱。シティポップのブームはずいぶん落ち着いた感がありますが、それでもこうしたハイクオリティな楽曲にであうと素直に嬉しいです。


韓国のジャズ音楽家Yujin Kim(キム・ユジン)。昨年5月に開催されたSeoul Jazz Festivalでのパフォーマンスを見て彼女のファンになりました。2023年のアルバム『Extraordinary』では、その年の韓国音楽大賞でベストジャズボーカルアルバムを受賞。この曲は、昨年リリースされたEPに収録されている一曲です。基本的にはジャズ畑のアーティストですが、今回のEPではインディポップ~インディロックよりの作風になっていて、新たな一面を見せています。


韓国のSSW/ピアノ奏者、Jeon Jin Hee(チョン・ジンヒ)。Wave to Earthとコラボレーションしてシンガーとして参加するなど、多岐にわたる活動をしています。この曲は昨年シングルリリースされたとてもメランコリックなナンバー。2023年の3rdアルバム『Without Anyone Knowing』もとても静謐な作品で好きです。


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今回オンエアした楽曲を中心に構成したSpotifyのプレイリストを作成しました。オンエア以外の曲も含めてセレクトしていますので、ご興味のある方はこちらもぜひ。