2013年4月12日から2014年2月13日までの1年弱の間、僕はTwitterやFacebook上で、【日々の余韻】というタイトルの投稿を毎日行っていました。基本的に日々の投稿は短めのディスクレビュー。それと月に一回程度、コラム的に長めの文章を書いていました。
今日は【日々の余韻】で書いた記事のうち、70年代にリリースされた都会的でメロウな作品を6枚紹介します。(カワズ)
2013年5月14日 【日々の余韻 Daily Afterglow 033】
Brian Elliot 『BRIAN ELLIOT(君と一緒に)』 (1977)
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マドンナの「Papa Don't Preach」の作者であるブライアン・エリオットが1978年に発表した唯一のソロ作。80年代一歩手前、いわゆるプレAOR的な、緩めのグルーヴでメロウなシティ・ポップの名盤です。バックを努めるのはリー・リトナーやラリー・カールトンら、名立たるプレイヤーばかり。裏方っぽい、上手過ぎないボーカルが逆にそそられます。
2013年5月25日 【日々の余韻 Daily Afterglow 044】
Starbuck 『Rock'n Roll Rocket』 (1977)
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ソフトロックグループEternity's Childrenの元メンバー、Bruce Blackmanが率いたStarbackの1977年のアルバムです。アーバンメロウな「A Fool In Line」は、まるでPHOENIXが70年代にタイムスリップしたようなトラック。セクシーなギターリフ、ライトなシンセサイザー、そして滑らかなビブラフォン。最高のコズミック・レアグルーヴです。
2013年5月31日 【日々の余韻 Daily Afterglow 050】
Rasa 『Everything You See Is Me』 (1978)
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自分が所有するソウル寄りのレコードの中でオールタイムベストを挙げるとしたら、Rasaが1978年にリリースしたこの唯一のアルバムを真っ先に選びたいと思います。宗教系グループだったらしく、言われて見れば曲のタイトルがどれもそれっぽいのですが、抜群にクール&メロウな曲のオンパレード(特にA面はどの曲も最高です)。歌い方もセクシーで◎。
2013年7月5日 【日々の余韻 Daily Afterglow 085】
Matthew Larkin Cassell 『Pieces』 (1977)
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数年前に出版されたレアグルーヴ関連のディスクガイドに紹介されていたことで聴いてみたら、予想以上にハマった一枚です。都会的なボーカルに絡みつくようなタイトなドラムとベースライン。時折存在感を覗かせるジャジーなギターやエレピ。それらが放つ圧倒的なグルーヴと、全体に通底するメロウネスとが溶け合って、AORと呼ぶにはあまりにも硬派な、と同時に最高に粋でクールな1977年のアルバムです。
2013年9月8日 【日々の余韻 Daily Afterglow 150】
Gino Vannelli 『Crazy Life』 (1973)
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ハーブ・アルパートがプロデュースを手掛けたジノ・ヴァネリの1973年のファーストアルバム。後の『Brother to Brother』や『Nightwalker』などで展開される、アーバンで力強いフュージョン/AORサウンドからは似ても似つかない、ジャジーなボサノバテイストが全編に漂う作品です。ベン・シドランを思わせる荒削りなジノの歌声も魅力的。ソフトに波打つエレピの揺らぎは、まるで夏の残響のよう。
2013年10月30日 【日々の余韻 Daily Afterglow 194】
Adrian Gurvitz 『Sweet Vendetta(甘い復讐)』 (1979)
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イギリス出身のギタリスト、エイドリアン・ガーヴィッツが全曲をソングライトしたメロウでアーバンな名作。冒頭「Untouchable And Free」のシンセサウンドで若干腰が引けそうになるも、二曲目の「The Wonder Of It All」をはじめ、抜群のメロディセンスとスムージンな楽曲を堪能できる一枚です。「I Just Wanna Get Inside Your Head」のコズミックなグルーヴ感もたまりません。久々にアナログで聴いてみたのですが、AORと呼ぶには音質がマイルドで、ちょっと拍子抜けしてしまいました。