2017年10月22日日曜日

日々の余韻アーカイブス(その11)〜雨を歌う者たち〜

2013年4月12日から2014年2月13日までの1年弱の間、僕はTwitterやFacebook上で、【日々の余韻】というタイトルの投稿を毎日行っていました。基本的に日々の投稿は短めのディスクレビュー。それと月に一回程度、コラム的に長めの文章を書いていました。
今日は【日々の余韻】で書いた記事のうち、雨の似合うアルバムを4枚ピックアップしました。(カワズ)



2013年5月30日【日々の余韻 Daily Afterglow 49】

The Postmarks 『The Postmarks』



アメリカ・マイアミ出身の三人組、ポストマークスが2007年にリリースした1stフルアルバム。頬杖をついて物憂げに佇むジャケットと、そのイメージ通りのメランコリックなメロディと歌声にすぐに引き込まれました。普段、ガーリーなギターポップなどはあまり好んで聴かないのですが、全体を通して楽曲のクオリティが高く、末永く聴くことが出来る一枚。雨や曇りがちなこの季節にぴったりの作品です。
The Postmarks - Looks Like Rain

2013年6月11日【日々の余韻 Daily Afterglow 61】

Elliott Ranney 『An Aging Sailor's Dream』



2001年にアメリカでひっそりリリースされていたSSWエリオット・レイニーの知られざる名盤が、2012年にジャケットの装い新たに日本国内盤として再発。ボサノバなどのアコースティックな質感のサウンドに、エリオットのジェントルな歌声が溶け込む大人のラブ・ソングの数々。雨の中、二人が一つの傘に寄り添って歩く印象的なジャケットのアートワークが、歳を重ねることの素晴らしさを教えてくれます。

Elliott Ranney - A Good Life

2013年6月22日【日々の余韻 Daily Afterglow 72】

Grand Salvo 『Soil Creatures』


メルボルン出身のシンガー・ソングライター、Grand Salvoが2009年に発表した通算5枚目のアルバム。「Needles」や「Flowers」など、抜群のソングライティングセンスが発揮されたアコースティックな名盤です。ギターのアルペジオ主体のマイルドな音作りと親しみやすいフォーキーなメロディラインは、Lambert & Nuttycombeを思わせます。
2012年のある雨の夜、福岡大名で観た彼の屋外ライブはとても印象的でした。降り注ぐ冷たい雨と必要最小限のライティングの中、彼の優しさの詰まった歌声と端正で凛とした立ち姿が、僕にはとても神々しく映りました。あの日、雨が降って良かったな、と。そんなことを思い出しました。
Grand Salvo - Needles

2014年2月10日【日々の余韻 Daily Afterglow 297】

Ann Burton 『Burton For Certain(雨の日と月曜日は)』


Rainy days and Mondays always get me down.
雨の日と月曜日はいつもブルー。
アン・バートンのバージョンで聴くと、どうしてもこんな風に訳したくなる。
アン・バートンと青。そう結び付けたくなるのはきっと、1967年の名盤『Blue Burton』のイメージがあるから。あのときの混じり気の無い青は、10年が経ち、より深みを増したネイビーブルーになった。アルバムジャケットも、サウンドも、そして歌声も…。
Ann Burton - Rainy Days And Mondays